滋賀県立高専の基本構想2.0を確認しよう

高専に入学したい

滋賀県に新しくできる高専については、すでに何度かご紹介してきました。

以前の記事から時間が経過する中で、滋賀県立高等専門学校の将来的な姿が徐々に明らかになっています。
ここでは滋賀県のホームページで紹介されている「滋賀県立高等専門学校 基本構想2.0(案)」の内容を確認していきましょう。

滋賀県立高等専門学校について|滋賀県ホームページ

令和10年4月の開校を目指す新たな学校が進学先の候補となるのは、2024年4月時点で小学生以下の方です。
小学生以下の方やその親御さんは、将来の進学先に大きな変化が起こることを想定して準備しておくといいでしょう。

滋賀県立高等専門学校の概要を再確認

滋賀県立高等専門学校(以下、「滋賀県立高専」とします。)は、これまで高等専門学校が存在していなかった滋賀県が、実践的技術者(エンジニア)の養成を目的として設立を目指している高等教育機関です。
滋賀県立高専の概要についてはすでにご紹介していますが、あらためて確認していきます。

開校時期

滋賀県立高専は、令和10(2028)年4月を予定しています。
2024年4月時点で小学6年生の学年の方が、滋賀県立高専の第1期生になります。

開校予定地

滋賀県野洲市に開校する予定です。
最寄り駅となるJR東海道線(琵琶湖線)の野洲駅からは約1.3㎞の距離で、徒歩17分程度と紹介されています。
なお、野洲駅は普通だけでなく新快速や一部の特急電車も停車する主要な駅です。

米原・彦根方面から来る下りの電車は、午前6時台・7時台にはそれぞれ1時間あたり11本、午前8時台には1時間あたり9本が停車します。

駅時刻表 | JRおでかけネット

また大阪・京都方面から来る上りの電車は、午前8時台には1時間あたり6本、午前7時台には1時間あたり4本が停車します。

駅時刻表 | JRおでかけネット

野洲市は京都や大阪のベッドタウンとしての性格も有していることから、京都方面への本数が多く、より通いやすいといえそうです。
(その分、通学時の混雑も激しいと思われますが)

設置学科

高専には一般的に理系の学科が設置されます。
ただし一口に理系といっても、その専門領域は数多くあり、どのような学科が設置されるのかが注目されていました。

基本構想1.0の段階で、滋賀県立高専には「機械系」「電気電子系」「情報技術系」「建設系(環境・インフラ系)」の4つの専門コースが設置されることが明らかにされています。

基本構想2.0の内容

基本構想1.0が策定されたのは令和5年3月のことです。
新たに公表された基本構想2.0(素案)は、基本構想1.0をさらに深化させたものという位置づけとなっています。

学校の理念

滋賀県立高専の設置目的は、以下の2点とされています。

  1. 滋賀発で次代の社会を支える高度専門人材の育成
  2. 技術者の育成・交流のためのハブとしての地域産業・社会への貢献

滋賀県には高専が設置されていないことから、これまでは県内外の高校に進学するか、県外の高専に進学するかの選択肢となっていました。
そこで、滋賀県内に新たな高専を設置することで、選択肢の幅を広げようというねらいがあります。
また滋賀県は海に面していない内陸県でありながらも、工業の発展した県となっています。
そこで、人材の輩出を担う新たな高等教育機関を滋賀県が主導して設置するのが、今回の滋賀県立高専なのです。

学びの内容

具体的なカリキュラムは、まだ現段階では分かりません。
ただ、滋賀県立高専で育成する人物像が5つのポイントから提示されています。
その内容は特に変わったものではありませんが、専門性や実践力、情報技術や環境保護などといったキーワードを感じ取ることができます。

地域・学術機関・産業界等との連携・共創

滋賀県には滋賀県立大学があります。
そして、滋賀県立高専が設置されると、大学と高専は同一法人で運営されることが明らかにされています。
これにより、滋賀県立高専から滋賀県立大学に編入学するというような具体的な連携が行われることが考えられます。
滋賀県立大学には現在、環境科学部、工学部、人間文化学部、人間看護学部という4つの学部が設けられています。
このうち高専に設置される学科との連携が期待されるのは、環境科学部や工学部となりそうです。

また、地元待望の高専ということですから、滋賀県だけでなく国の機関や地域社会とのつながりについても、具体的に検討されています。
さらに民間の産業界とのつながりも、長期的・継続的な取り組みが検討されています。

学校運営

1学年の入学定員は120人とされています。
なお、入学時の性別や県内出身者などの条件については、今後検討されるものとされています。
他の高専の入学では、男女別の定員は設定されていないので、滋賀県立高専でも男女別の定員が設けられるとは考えにくいでしょう。
ただし、大学入試で設けられているような女子枠のようなものが設けられる可能性は否定できません。

出身地に関する制約条件については、滋賀県内の中学校出身者に一定の枠が設けられることは間違いありません。
ただし、居住地域の制限をせず、定員50名の寮を設けるとしていることから、県外の中学生の入学も受け入れるようです。

学校施設

公立の高専は全部で3校ありますが、いずれも地元の中学校出身者のための教育機関という思想のもと、学生寮は設けられていません。
これに対して、滋賀県立高専では学生寮が設けられることとされています。
これは滋賀県内出身者であっても、通学困難な学生がいると想定されることも念頭にあるでしょう。
それ以外に、他府県出身者の入学を想定していることも学生寮の設置につながっていると考えられます。
また、ダイバーシティの観点を重視する中で、海外からの留学生の入学も想定しており、そのための施設となるようです。

まだまだこれから分かる点も多い滋賀県立高専に注目しよう

滋賀県立高専の概要について、基本構想2.0をもとにご紹介してきました。
学校の大まかな姿が、想定されるようになってきました。
とくに設置学科や入学定員などは、高専への進学を検討するうえで重要な項目なので、現時点で明らかにされているのは大きな意味があります。

一方、入学試験に関する情報はまだこれからという感じです。
推薦入試と一般入試が実施されると予想されますが、いずれも中学1年生からの内申点が試験に関わる可能性があります。
そのため、高専への入学を考えている方は、中学校入学時から気が抜けないと考えておいた方がいいでしょう。
早い段階から準備をしておくことは、高専への入学をより確実なものにするために重要です。



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