高専の募集要項はここを見るべき!必ずチェックしておかなければならない項目とは?

test paper and pencil on a desk 高専に入学したい
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多くの高専の入試は、推薦入試が1月、一般入試が2月に実施されます。
高専を受験する人は、この試験の日程を確認しておき、受験の準備を進めることとなります。
ただ、高専を受験する際に重要なのは、試験の日程だけではありません。
入試に関する内容はすべて学生募集要項に網羅されており、その内容にしたがって入試が行われます。
高専の入試や入学者の決定方法など、重要な内容が記載されている募集要項の見方を確認していきましょう。

学生募集要項の公表は早い学校は5月から始まっている

「学生募集要項」は、すべての高専が必ず作成している、非常に重要な書類です。
この文書が公表されている理由は、どれだけの学生をどのような基準で募集するかを明らかにするためです。
そのため、受験生は必ず募集要項に目を通したうえで、出願しなければなりません。

募集要項は、基本的に入試を実施しているすべての学校で公表されています。
県立高校の場合は、推薦入試に関しては学校ごとに募集要項を作成し、一般入試に関しては都道府県単位でまとめて作成されている場合もあります。
ただ、いずれにしても、入試の日程や定員など、重要な内容が募集要項に記載されています。

なお、募集要項は試験が実施される半年ほど前に公表されていれば、受験生にとって大きな問題はありません。
ただ、募集要項の内容を早く確認できれば、その分早く準備に取り掛かることができます。
高専が募集要項を公表する時期はまちまちであり、中には豊田高専のように5月末に翌年度の募集要項を公表するケースもあります。
多くの高専は、募集要項をダウンロードにより入手するように案内しているので、常にホームページや公式SNSを確認するようにしましょう。

学生募集要項に書かれていることとは?

学生募集要項には、具体的にどのようなことが書かれているのでしょうか。
ここでは、すでに公表されている豊田高専の令和6年度学生募集要項を使って、その記載内容を確認していきましょう。

なお、高専はどの学校も募集要項を作成しています。
だいたい同じような内容が網羅されていますが、記載の順序や使われている言葉には違いがあるため、注意が必要です。
ここでご紹介する内容は、豊田高専の令和6年度学生募集要項であり、その他の高専では内容が異なるため注意してください。

アドミッション・ポリシー(学生受入方針)

学校がどのような学生を求めているのか、そしてどのような理念を持って入学者を選抜するのかを明らかにしています。

豊田高専では、求める学生像について、次の2点をあげています。

1)一般教育、専門教育を十分理解できる能力を有する人
2)特に、数学と理科に優れた能力を有する人

また、推薦選抜では、次の2点も加えて多様な学生を受け入れることとしています。

3)ものづくりに興味を抱く人
4)生徒会、スポーツ、ボランティア等の活動や海外生活などの経験を通して育まれたリーダーシップ等、さまざまな能力を有する人

入学者選抜の基本方針として、一般選抜(学力検査等による選抜)と推薦選抜(面接等による選抜)を行うと書かれています。
このうち一般選抜については、調査書によって基礎的・汎用的能力を有しているか評価するとしています。
また、一般教育、専門教育を理解できる能力を有しているか判断するため、数学、理科、英語、国語及び社会の基礎学力を評価する学力検査を行うとされています。

一方、推薦選抜は出願資格を満たし、中学校から推薦されることが前提となります。
基礎的・汎用的能力を有しているかは、調査書によって評価されます。
また、リーダーシップ等のさまざまな能力を有しているか、推薦書によって評価されます。
さらに、面接で志望動機や入学後の意欲等を評価されることとなります。

募集人員、選抜の方法

学科と各学科の入学定員が公表されます。
また、入学者の選抜方法についても、公表されています。

入学者の選抜方法は、推薦及び学力検査による学校が大半ですが、別の入試制度を設けている高専もあり、それぞれの比率や人数が記載されています。
なお豊田高専の場合、推薦による募集人員は入学定員の30%程度とされています。
非常にシンプルな内容ですが、受験生にとっては関心の高い項目が記載されています。

推薦選抜の詳細

入学者の選抜方法には、推薦と学力検査の2種類があります。
そこで、まずは推薦選抜について様々な項目が記載されています

出願資格

豊田高専に推薦入学を志願できる人は、学業・人物とも優秀な人としたうえで、いくつかの条件に該当する人とされています。
推薦入学を志願できる人の条件の中に、第3学年の成績が学年の上位15%以内または生徒会活動、部活動などに優れた実績を有する者とした条件があります。
この出願資格をクリアしなければ、中学校長からの推薦を得ることはできないと考えられます。

出願期間、出願手続

受験者は、全員がインターネットによる出願を行うこととされています。
ただ、中学校で作成した推薦書と調査書、そして写真票が必要であり、これらは紙で作成したものを郵送することとされています。
インターネット出願の後、検定料の納入を行ってから郵送物を提出する流れとなっています。
この手続きについては、各高専の指示にしたがう必要があるので、間違えないようにしましょう。

選抜方法

推薦入試では面接が実施されるため、その面接の日程が記載されています。

合格内定者発表、入学確約書

推薦選抜の合格発表の日時と発表の方法が記載されています。
合格内定通知を受けた人は、指定された期日までに入学確約書を提出する必要があるとされています。

合格内定とならなかった者の取扱い

推薦選抜による合格内定を得られなかった場合、あらかじめ学力選抜を希望しておけば、学力選抜への出願手続きは必要ないとされています。
この場合、出願手続きだけでなく、検定料の再支払いや郵送書類の再提出も必要ありません。
ただ、学力検査にあたって志望学科を変更する場合は、再出願しなければならないとされています。

合格者オリエンテーション

合格者に対するオリエンテーションが実施される日程が、募集要項に記載されています。
このオリエンテーションへの出席は、入学の条件とは明記されていませんが、出席しないという選択は事実上不可能といえます。

学力検査選抜の詳細

学力検査による選抜に関して、その内容が募集要項に記載されています。
推薦選抜と同じような項目もありますが、内容が全く異なるため、間違えないようにしましょう。

出願資格

学力検査を志願できる人の資格について書かれています。
基本的には中学校を卒業した者、あるいは卒業見込みの者という条件であり、成績に関する条件は設けられていません。

出願期間、出願手続

推薦選抜と同じく、学力検査に出願する際も、インターネットによる出願となっています。
調査書や写真票などを書面で提出しなければならないのも、推薦選抜と同じといえます。

選抜方法

学力検査による入学者の選抜方法が、詳細に記載されています。
豊田高専の場合、第1段階では学力検査の成績のみで上位4名が合格となります。
次いで、第2段階では内申点と学力検査の得点で順位付けを行うこととされています。
また、志願者は第3志望学科まで出願時に決めることができるので、その選抜方法について記載されています。

最寄り地等受験制度

学力検査選抜では、出願する高専に関係なく、全国に51あるすべての高専で受験することができることが記載されています。
推薦選抜はこの制度の対象外となっているので、注意が必要です。

合格者発表、入学確約書

合格発表の日時と発表の方法が記載されています。
また、合格通知を受けた者は、所定の期日までに入学確約書を提出しなければならないことが記載されています。

高専を受験する人が特に見るべきポイントとは?

ここまで、豊田高専の学生募集要項を参照し、どのようなことが記載されているのかを見てきました。
受験生にとっては大事な内容ばかりが記載されていますが、その中でも高専への合格を目指す受験生が見るべきポイントがあります。
どのような点に注目して募集要項を確認する必要があるのか、確認していきます。

アドミッション・ポリシー

アドミッション・ポリシーは、どのような学生に来てほしいのか、学校の考えを明らかにしたものです。
どれだけ優秀な学生でも、アドミッション・ポリシーにあった学生でなければ、受け入れられないことも考えられます。
高専の受験を考えている人は、アドミッション・ポリシーが自身にあうものかを検討したうえで、出願する学校を決めるようにしましょう。

選抜の方法

選抜の方法で特に重要なのは、推薦選抜と一般入試の比率です。
入学定員に対する推薦選抜の比率は、高専によって異なります。
推薦選抜の比率が30%程度の学校もあれば、80%程度と非常に高い学校もあります。
推薦選抜の比率が高い学校を志願するのであれば、当然、推薦入試を受験することも検討すべきです。
どの程度の比率となっているのか、必ず確認しておきましょう。

推薦選抜の出願資格

推薦入試を受ける場合、学科試験は実施されません。
その代わり推薦入試では、中学校の内申点で一定以上の学力があることを出願の条件としています
具体的に内申点が○○以上という条件が、学校により定められています。
計算対象となる内申点は、1年生からのものを含める学校もあれば、3年生だけのものを対象としている学校もあります。
また、学年ごと、あるいは教科ごとに傾斜をつけて計算するケースもあるので、募集要項をじっくり読んで確認しておかなければなりません。

一般入試の選抜方法

一般入試については、出願資格は特に定められていません。
その代わり、学科試験を受けて上位にならなければ合格できません。
一般入試の学科試験の配点や、内申点を加味した点数の計算方法は、各学校によって異なります。
内申点を重視するのか、あるいは当日の試験を重視するのか、さらに数学や理科、あるいは英語の配点が高くなるのか、その選抜方法を確認しておかなければなりません。

募集要項は早い段階で必ずチェックしておこう

中学生が自身の進路を決める際に、学校が作成している募集要項をじっくり目にすることは少ないかもしれません。
しかし、募集要項には、高専がどのような学生を求めているのか、あるいはどのように入学者を選抜するのかが明らかにされています。
そのため、募集要項は早くにチェックしておくほど、受験生にとっては有益になります。
各学校のホームページから、募集要項を確認することができるので、必ず調べておきましょう。
本年度の募集要項がまだ公表されていない場合は、参考になる前年度の募集要項を見ておくだけでも意味があるので、チェックしておきましょう。

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