絶対に高専に入りたい!そこで狙い目となる高専はどこなのか?

高専に入学したい

高専に絶対に入りたいという人は、地元の高専への入学を検討することでしょう。
しかし、高専の入学定員は公立高校などと比較すると少なく、過去の競争率などを考えると難しいという人もいるかもしれません。
しかし、国立高専は全国各地にあるうえ、すべての国立高専には寮が完備されています。
そのため、自宅から通える高専だけが進学先の候補ではありません。
全国の国立工業高専の中で、狙い目となる学校はあるのか、今回は都道府県別の定員と中学生の人数を比較してみました。

前提条件

全国にある47の国立工業高専の定員と、その高専が所在している各都道府県の中学3年生の人数から、入りやすい高専はないかを考えていきます。
工業高専には、国立のほか公立と私立もありますが、学費がかからないこと、寮が完備されていて通学エリアに制限がないことから、国立工業高専だけで比較を行います。
公立高専については寮がなく、そもそも出願できるのが地元の学生だけという学校もあるため、除外せざるを得ないという一面もあります。

また、富山高専の商船学科は今回の定員からは除外します。
一方、文系学科の高専については、今回は定員に含めていきます。

中学生の人口と高専の定員の割合

国立高専には寮が完備されており、全国から志願者が集まります。
ただ、実際の志願者は高専所在地の都道府県の出身者が最も多くなっています。
そこで、各都道府県の中学3年生の生徒の人数と、各都道府県にある高専の定員を比較し、定員1人あたりの中学生の人数が少ないのはどの都道府県なのかを調べてみました。

中学3年生の生徒の人数は、文部科学省の令和4年度学校基本調査「中学生 学年別生徒数」の数値を使います。
この統計では、すべての中学3年生の人数だけでなく、中学校の種類別の人数も知ることができます。
そこで、中学3年生の人数のほか、高専を受験する生徒の多くが在籍している公立中学の3年生の人数でも、高専の定員1人あたりの人数を計算してみました。

なお、国立高専のない埼玉県、神奈川県、山梨県、滋賀県、大阪府、佐賀県はこのリストには載せていません。
これらの府県にも多くの中学生がいるため、実際にはこの中学生の動向も、各高専の志願者や倍率に大きく影響するでしょう。

国立高専の定員1人あたりの中学3年生の人数

都道府県高専の定員中学3年生の人数定員1人あたりの中学3年生の人数
鳥取県2004,82724.14
島根県2005,68928.45
香川県2808,54430.51
高知県1605,50934.43
福井県2007,08035.40
山口県32011,33235.41
徳島県1605,75035.94
富山県2008,70743.54
秋田県1607,28845.55
和歌山県1607,92449.53
石川県20010,29151.46
愛媛県20011,23356.17
北海道72040,56456.34
山形県1609,02256.39
奈良県20011,94359.72
大分県1609,82161.38
青森県1609,91461.96
岩手県16010,01562.59
宮崎県16010,40865.05
熊本県24016,51568.81
宮城県28019,76670.59
長崎県16011,84974.06
鹿児島県20015,06175.31
福島県20015,38276.91
福岡県60047,03778.40
三重県20015,86679.33
群馬県20016,87784.39
栃木県20017,16385.82
新潟県20017,81189.06
岐阜県20018,07790.39
長野県20018,44592.23
沖縄県16016,521103.26
岡山県16017,040106.50
茨城県20024,099120.50
京都府16021,766136.04
広島県16025,130157.06
静岡県20033,119165.60
千葉県20052,830264.15
兵庫県16047,708298.18
愛知県20070,052350.26
東京都200104,089520.45

国立高専の定員1人あたりの公立中学3年生の人数

都道府県高専の定員公立中学3年生の人数定員1人あたりの公立中学3年生の人数
鳥取県2004,58822.94
高知県1604,39327.46
島根県2005,62728.14
香川県2808,04228.72
山口県32010,74533.58
徳島県1605,51234.45
福井県2006,93434.67
富山県2008,46942.35
和歌山県1607,05844.11
秋田県1607,14544.66
石川県20010,01750.09
奈良県20010,31351.57
愛媛県20010,76053.80
北海道72039,20354.45
山形県1608,88855.55
大分県1609,45759.11
青森県1609,55459.71
宮崎県1609,55459.71
岩手県1609,79561.22
熊本県24015,87566.15
宮城県28019,16968.46
長崎県16011,06769.17
鹿児島県20014,28671.43
福岡県60044,26473.77
福島県20015,02875.14
三重県20015,03675.18
群馬県20016,30781.54
栃木県20016,58382.92
新潟県20017,27386.37
岐阜県20017,55087.75
長野県20017,76888.84
沖縄県16015,59697.48
岡山県16016,089100.56
茨城県20022,742113.71
京都府16018,732117.08
広島県16022,208138.80
静岡県20031,080155.40
千葉県20049,199246.00
兵庫県16043,515271.97
愛知県20066,325331.63
東京都20077,277386.39

全国の多くの都道府県に国立工業高専が設置されていますが、その定員は人口に比例していません。
そのため、定員に対する中学3年生の人数は、最も多い東京都が定員1人に対し520人、最も少ない鳥取県は定員1人に対し24人と、その差は20倍以上もあります。
公立中学3年生の人数で計算しても、東京都と鳥取県ではその差は17倍以上となり、それほど大きく変わらないことが分かります。

東京高専は東京都八王子市にあります。
東京高専は東京都内からの進学者が半分以上となっていますが、神奈川県や埼玉県など、隣接する高専のない県からも多くの進学者がいます。
東京都は、高専の定員1人あたりの中学生の人数が最も多い都道府県となっていますが、実質的には神奈川県や埼玉県なども含めた、さらに競争率の高い入試となる可能性があります。

一方、高専の定員1人あたりの中学3年生の人数が少ないのは、鳥取県、島根県、高知県、香川県などとなっています。
高専の受験をする際は、地元の高専を受験する人が多くなるので、高専の定員1人に対する中学生の人数が少ない都道府県にある高専の方が、競争率が低くなるのではないか、と考えられるのです。

ただ、都道府県の中学生の人数による傾向はあるものの、学校ごとの倍率はまた別と考えることができます。
そこで、各学校の倍率について、さらに調査・分析したデータを後日ご紹介します。

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