滋賀県に公立高専が設置される!その設置場所と今後の影響を確認。

高専に入学したい

2023年4月現在、滋賀県が新設の県立高専を設置する計画があります。
まだ学校の開校時期や設置される学科の公表には至っていませんが、候補地を選定するなど徐々にその計画が具体化しつつあります。
実際に学校を設置するには多くの過程が必要なため、まだまだここから時間がかかるものと思われますが、近県の人にとっては待望の教育機関となる可能性があります。
新設される高専のもたらす影響について、予想してみました。

2023年4月現在、滋賀県には国公立・私立を含めて、高専がありません。
高専がない県は他にもあり、滋賀県を含めて全部で5つの空白県があります。

現在の高専空白県

  • 埼玉県
  • 神奈川県
  • 山梨県
  • 滋賀県
  • 佐賀県

すべての都道府県に国立大学があるのに対し、国立高専がないのは上記の5県に加えて、公立高専のみとなっている大阪府を加えた6府県です。
したがって、全国47都道府県のうち41の都道府県には国立高専があることとなります。

なお、高専がない県でも、他県にある高専に自宅から通える地域があります。
上記5県の中では埼玉県や神奈川県、佐賀県は、他県にある高専に通学できる距離に住む人が多くいます。

もっとも、これ以外の地域に住んでいる方は、寮に入って高専に通うことができます。
多くの県に高専はありますが、県内にあるからといって通学圏にあるわけではないため、はじめから寮に入ることを前提として考えている方も多いかもしれません。
そういう意味では、県内に高専がないから高専に通えないというわけではありません。
ただ、滋賀県は高専空白県という以上に、通学圏に高専がない状況であり、高専を設置してほしいと願う人が多いと考えられます。

滋賀県での高専設立に向けた動き

滋賀県の公式サイトでは、「滋賀県立高等専門学校の設置に向けた検討」としたページを作り、滋賀県立の高専設置に向けた情報を公開しています。

滋賀県立高等専門学校の設置に向けた検討|滋賀県ホームページ

最初に高専設置に向けた動きが具体化したのは令和元年度のことであり、その後は県庁内の検討会のほか、懇話会として有識者からのヒアリングを行うなど、様々な検討が重ねられてきたことが分かります。

2022年9月には、高専の設置場所を野洲市にある「野洲川北流跡自然の森」に決定しました(ただし、正式には県有地と国有地として表現されています)。
ここは、JR野洲駅から約1.3㎞、徒歩で約17分という場所です。

今後は学校の基本構想を取りまとめる過程が進められるものと思われます。
まだ具体的な開校時期や設置学科も決まっていませんので、今後の動向を注視する必要があります。

滋賀県における高等教育の現状とは

滋賀県のホームページでは、高専の設置について「これからの滋賀の産業を支える工業系の高等専門人材の育成を図るため」という表現がされています。
工業系の高等専門人材の育成は、そのまま産業の発展に結びつくと考えられますが、滋賀県には長らくそのような教育機関がありませんでした。

滋賀県には現在、国立大学として滋賀大学と滋賀医科大学が、公立大学として滋賀県立大学があります。
このうち最も古くに設置された滋賀大学は、1949年の設立ですが、長く経済学部と教育学部しかなく、2017年になってデータサイエンス学部が設置されましたが、理系、特に工業系の学部が不足していたことが分かります。

滋賀県立大学は環境科学部や工学部といった理系の学部も設置されましたが、1994年開学と設置時期が遅く、大学が多く設立された時期でもあることから、知名度は高いとは言えません。
そのため、地元出身の優秀な学生の受け皿になっていないという状況も想定されるのです。

滋賀県には、私立大学もいくつか存在しています。
中でも全国的に有名なのは、京都府に本部のある立命館大学です。

びわこ・くさつキャンパス|キャンパスマップ|立命館大学

1994年に開設されたびわこ・くさつキャンパスは、2023年4月現在、経済学部、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部、理工学部、情報理工学部、生命科学部、薬学部と、理系を中心に7つの学部が置かれています。
このほか、同じく京都府に本部がある龍谷大学も、滋賀県に瀬田キャンパスを設置しています。
これらはいずれも、京都市内でキャンパスを拡張することが難しくなり、交通の便が良い滋賀県に移転してきたものと考えられます。
特に大規模な敷地を必要とする理系のキャンパスが、滋賀県に進出してきた形となっています。
一方、滋賀県に本部を置く私立大学はいずれも小規模な大学が多く、地元出身の学生の受け皿になり切れていないと考えられます。

このような状況であるため、公費による理系の高等専門人材育成の場として、県立高専の設置が検討される状況になったと考えられます。

滋賀県に公立高専が誕生した場合の影響

正式に滋賀県立高専が誕生するのは、まだまだ当分先のこととになると思われます。
それでも、この公立高専が誕生することで、どのような影響があるのか、勝手に予想してみました。

滋賀県立高専への入学者の予想

まず、滋賀県立高専予定地と、周辺の高専の位置関係を見ておきましょう。
滋賀県立高専予定地は赤丸で、その他の国公立高専は青丸で表示しています。

近畿地方は、人口の割に国立高専が少ない地域という印象がありますが、一方で大阪府と神戸市の2つの公立高専があるため、他の地域と比較した時に、必ずしも高専が不足しているというわけでもないようです。
ただ、公立高専には寮がなく、神戸市立高専は兵庫県内の中学校卒業者に限定されています。
また、大阪公立大学高専は大阪府外出身者の枠がかなり限られるなど、基本的に地元出身の学生のための学校となっています。
さらに、近畿地方にある国立高専のうち舞鶴高専は日本海側にあり、京都府内にあるとはいっても、京都市やその周辺の学生は通学することはできず、寮に入ることが前提となります。
そのため、これまでは滋賀県や京都市周辺から高専に通学することは非常に難しいことが分かります。

滋賀県立高専は、このような高専空白地に誕生し、しかも最寄駅から歩いて通うことのできる立地ということで、新たな選択肢になることは間違いないでしょう。
また、野洲駅までは京都駅からは30分、大阪駅からも60分ということですから、県外から通学することも難しくないでしょう。
もちろん、滋賀県内からも米原駅から25分、長浜駅から42分ということで、県東部から通学することも可能です。

またこの予定地は、滋賀大学本部や滋賀県立大学のある彦根市より滋賀県の中央に位置しており、特に人口の多い草津市や大津市に近い点に特徴があります。
草津市や大津市近郊から理系へ進学を検討している中学生にとっては、高校に進学するのとは別の新たな道が開けることとなります。

これまで高専がなかった滋賀県出身の学生が多く在籍している高専には、舞鶴高専、奈良高専、福井高専、岐阜高専などがあります。
滋賀県の県立高専ができると、これらの高専に進学していた滋賀県出身者の何割かが、新しい高専に進学することになるのではないかと思われます。
特に舞鶴高専は「学校概要2022」によれば、専攻科の含めた在籍学生数815名のうち142名が滋賀県出身者であり、大きな影響を受ける可能性があります。
そのため、近隣の高専の志願者がどのように変化するのかも、今後の注目点となることでしょう。

設置される学科の予想

正直、設置される学科についてはまったく予想できません。
国公立高専の設置自体も、2004年の沖縄高専以来とかなり久しぶりのこととなるため、これまでのような学科とは全く異なる学科が設置されることも考えられます。
この点は、私立高専ではありますが、2023年4月に開学した神山まるごと高専が「デザイン・エンジニアリング学科」として、テクノロジーとデザイン、そしてアントレプレナーシップを学べるとしているのは、これからの高専の新たな可能性を示しています。

一方で、滋賀県立高専が設置された経緯の1つである「工業系の高等専門人材の育成」という目的を考えれば、機械工学や電気・電子工学、生物資源工学などといった従来からの学科が設置される可能性もあります。
多額の公費が投入される学校という公立学校としての特性を考えれば、より地元のニーズに合った学校にする必要があり、この点はこれから調整されていくでしょう。

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