学士号を取得できる「高専本科→高専専攻科」と「公立高校→国立大学」で学費はどれくらい違う?

高専の学費

国立高専は、国立大学より学費がかかりません。
そのため、中学校を卒業した後に「公立高校→国立大学」と進むより、「高専本科→高専専攻科」と進む方が学費はかかりません。
実際、国立高専に入学した場合の学費はどれくらいになるのか、 そして公立高校や国立大学などと比較するとどうなのか、確認していきます。

国立高専の学費はいくら?

国立高専の学費は、どの学校も一律に定められています。
その金額は以下のとおりです。

入学料84,600円
授業料234,600円(1年あたり)
国立高専の学費

入学料は入学時のみ1回支払えばよく、授業料は1年あたり234,600円を2回に分けて支払います。
実際には、このほかにも教材費や研修旅行などの負担があることに注意が必要です。

高等学校等就学支援金制度の適用

高等学校等就学支援金制度は、2010年度からはじまりました。
2025年度からは国公私立を問わず、また所得要件を設けず、高校等に通う生徒がいる世帯に対して、授業料に充てるための支援金が支給されます。

授業料の金額によって支援金の金額は変わりますが、どのような高校等であっても毎月9,900円、年額118,800円の給付が受けられます。
ただ、国立高専は5年制ですが、就学支援金の給付が受けられるのは1年生~3年生の3年間のみです。
なお、国立高専の場合は保護者等の所得に応じて加算額を受けることができ、加算額9,650円とあわせると就学支援金は毎月19,550円、年額234,600円となり、授業料の負担はゼロとなります。

公立高校の学費はいくら?

公立高校の学費は、いずれの都道府県・市町村が設置者であってもほぼ一律です。

入学料5,650円(一部の県は5,550円)
授業料118,800円(1年あたり)
公立高校の学費

なお、2025年度からは所得制限なく高等学校等就学支援金制度が適用されるので、授業料の負担は実質的にゼロとなります。

国立大学の学費はいくら?

国立大学の学費は、標準額と呼ばれる金額が定められています。

入学金282,000円
授業料(標準額)535,800円(1年あたり)
国立大学の学費

授業料については標準額から20%までの増額が認められており、大学によって授業料が異なることがあります。

学校の種類による学費の違い

それでは、実際に進学する学校の種類によってどの程度の学費の違いがあるのでしょうか。
全員に適用される高等学校等就学支援金制度を利用したものとして、入学料と授業料の金額を求めています。

高専本科→高専専攻科に進んだ場合

本科1年本科2年本科3年本科4年本科5年専攻科1年専攻科2年合計
入学料84,600円84,600円169,200円
授業料115,800円115,800円115,800円234,600円234,600円234,600円234,600円1,285,800円
高専本科→高専専攻科の場合の学費

高専本科から高専専攻科に進んだ場合、入学料と授業料をあわせて1,455,000円になります。

高専本科→国立大学に編入した場合

本科1年本科2年本科3年本科4年本科5年大学3年大学4年合計
入学料84,600円282,000円366,600円
授業料115,800円115,800円115,800円234,600円234,600円535,800円535,800円1,888,200円
高専本科→国立大学の場合の学費

高専本科から国立大学に編入した場合、入学料と授業料をあわせて2,254,800円になります。

公立高校→国立大学に進学した場合

高校1年高校2年高校3年大学1年大学2年大学3年大学4年合計
入学料5,650円282,000円287,650円
授業料0円0円0円535,800円535,800円535,800円535,800円2,143,200円
公立高校→国立大学の場合の学費

公立高校から国立大学に進学した場合、入学料と授業料をあわせて2,430,850円になります。

高等学校等就学支援金制度以外の支援制度を活用できる

高専4年生以降、あるいは大学の入学料や授業料の負担が軽減される支援制度は、高等学校等就学支援金制度とは別にあります。
世帯年収が一定金額以下であること、あるいは扶養される子供の人数が3人以上の世帯であることといった要件が定められているので、この要件に該当するか確認し、必要な手続きを忘れずに行いましょう。

国立高専の寮費はいくら?

すべての国立高専には、学生寮が設けられています。
遠方から通学することが難しい学生は、希望すれば学生寮に入寮することができます。
ただ、寮の施設には限りがあるので、入寮者を選考することとしている学校もあります。

入寮すれば、その分家賃などに相当する経済的な負担が発生します。
その金額は学校ごとに定められていますが、例えば東京高専の場合、以下のように案内されています。

項目金額(1年あたり)
部屋代(1人部屋)9,600円
寮費(光熱費、下水道費用など)77,000円
食事代(1日3食)約480,000円
エアコンリース・電気代38,800円
寮生会費(寮生の自主活動のための費用)2,500円
合計約60万円
東京高専の寮費(東京高専ホームページより)
学生寮|国立東京工業高等専門学校

学校によって違いがある点は注意が必要ですが、家賃と水道光熱費、食費をすべて含めて年額60万円程度で済むわけですから、かなり経済的ということができます。
ただそれ以上に、寮に入れば通学に要する時間を大幅に短縮できること、そして衣食住に関する不安なく学生生活を送れることが大きな魅力です。



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