高専のほとんどは国立の学校であるため、国立高専の学費について知っておけば、高専にかかる学費は分かったような気になってしまいます。
しかし、公立や私立の高専がそれぞれ3校ずつある中で、それらの学校の学費についても知っておく必要があります。
公立高専、私立高専の学費がどれくらいかかるのか、それぞれ確認していきましょう。
公立高専の学費
公立高専として現在ある3校の学費は、以下のとおりです。
東京都立産技高専
・入学金 都内からの受検生は42,300円、都外からの受検生は84,600円(いずれも入学時)
・授業料 234,600円(年額)
大阪公立大学高専
・入学金 84,600円(入学時)
・授業料 234,600円(年額)
神戸市立高専
・入学金 神戸市民は28,200円、神戸市民以外は84,600円(いずれも入学時)
・授業料 234,600円(年額)
3つある公立高専はいずれも、入学金や授業料は国立高専に準じた金額となっています。
公立高専だから学費が高くなるということはありません。
そのうえで、公立高専の設置者である自治体の住民については、入学金が安くなる場合があります。
なお、大阪公立大学高専は原則、大阪府民だけが受験できることとされており、大阪府民とそれ以外との金額の差をつける必要はありません。
私立高専の学費
私立高専の学費は、私立高校や私立大学と同じように、国公立より高いのではないかと想像できると思います。
実際の学費は、3つの私立高専それぞれで以下のようになっています。
なお、私立高専の場合は入学金や授業料以外にも学校に納付しなければならない金額があります。
それらの金額もあわせてご紹介していきます。
サレジオ高専
・入学金 300,000円(入学時)
・授業料 500,000円(年額)
・施設設備費 180,000円(年額)
・実験実習費 48,000円(年額)
・校費 45,000円(年額)
・父母会入会金 10,000円(入学時)
・父母会費等 9,800円(年額)
・積立金 34,000円(年額)
・保険料 5,750円(入学時)
非常に多くの項目に分かれているため、どれだけの費用がかかるのか分かりにくいかもしれません。
そこで、5年間の学費を整理すると以下のようになります。
入学時
300,000円+10,000円+5,750円=315,750円
1~5年
(500,000円+180,000円+48,000円+45,000円+9,800円+34,000円)×5年=4,084,000円
合計
315,750円+4,084,000円=4,399,750円
なお、高等学校等就学支援金356,400円を差し引いた後の金額は、4,043,350円となります。
国際高専
・入学金 200,000円(入学時)
・授業料(1年、2年) 3,000,000円(年額、寮費等を含む)
・授業料(3年) 250,000円(年額)
・留学費用(3年) 授業料1,680,000円、ホームステイ費用等1,200,000円(年額)
・授業料(4年、5年) 1,600,000円(年額)
・保護者会費 20,400円(年額)
・学生会費 9,600円(年額)
・同窓会費 6,000円(年額)
1年生と2年生は全寮制となっており、寮費が授業料に含まれています。
学費と寮費の内訳が明らかにされているため、本来はほかの学校の学費と比較する際には、寮費も含める必要があります。
また、3年次には全員が留学することとなっており、その分学費が大きくなってしまいます。
5年間の学費を計算すると以下のようになります。
入学時
200,000円
1・2年
(3,000,000円+20,400円+9,600円+6,000円)×2年=6,072,000円
3年
250,000円+1,680,000円+1,200,000円+20,400円+9,600円+6,000円=3,166,000円
4・5年
(1,600,000円+20,400円+9,600円+6,000円)×2年=3,272,000円
合計
200,000円+6,072,000円+3,166,000円+3,272,000円=12,710,000円
なお、高等学校等就学支援金を2年間237,600円支給された場合、12,472,400円となります。
近畿大学高専
・入学金 200,000円(入学時)
・授業料(1~3年) 520,000円(年額)
・授業料(4、5年) 1,084,000円(年額)
・学年費 15,000円(年額)
ほかの私立高専に比べると、学費の項目はシンプルです。
5年間の学費を計算すると、以下のようになります。
入学時
200,000円
1~3年
(520,000円+15,000円)×3年=1,605,000円
4・5年
(1,084,000円+15,000円)×2年=2,198,000円
合計
200,000円+1,605,000円+2,198,000円=4,003,000円
なお、高等学校等就学支援金356,400円を差し引いた後の金額は、3,646,600円となります。
私立高専は学校の特色を知ることが重要
私立高専の学費は、国公立高専と比較すると高くなっていることが分かります。
ただ、高い学費を負担したとしても、それ以上に魅力があると感じれば、その学校に進む価値があるのです。
サレジオ高専は、もともと工芸学校として1934年に設立された古い歴史を持ちます。
日本で唯一の技術系ミッションスクールと言われており、数多くのOBを輩出しています。
また、ソーラーカーレースやロボコンなどで輝かしい実績を誇ります。
国際高専は、その名のとおり国際的なカリキュラムを実施しています。
最も大きな特徴は、全員がニュージーランドへ1年間留学することです。
また、専攻科を設置しない代わりに、系列の金沢工業大学へ進学することができ、より深い学習・研究を行うことができます。
近畿大学高専は、近畿大学の系列校となっており、多くの学生が近畿大学に進学しています。
その一方で、進学に力を入れたコースを設置しており、高専卒業後の大学編入学において高い実績を誇ります。
いずれの学校でも、推薦入試、一般入試以外の多くの入試を実施しており、様々な方法で進学するチャンスがあります。
自分の希望する学校を選び、自分にあった入試の方法を探すようにしましょう。
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