高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 |
国際創造工学科 | 200名 | 65名(約32%) |
茨城高専には国際創造工学科の1学科が設置されており、入学定員は200名となっています。
200名の入学定員のうち65名(約32%)は推薦により選抜するものとしています。
第2学年進級時の主専攻(系)の定員は以下のようになります。
機械・制御系 | 電気・電子系 | 情報系 | 化学・生物・環境系 |
80名 | 40名 | 40名 | 40名 |
なお、茨城高専の入試制度は「通常学力入試制度」と「特例適用制度」があります。
「通常学力入試制度」は主専攻を選ばずに出願するもので、第2学年進級時に主専攻を選択します。
「特例適用制度」は主専攻を1つ選んで出願するもので、第2学年進級時に選択した主専攻に優先的に配属されます。
推薦による選抜は「特例適用制度」での出願となり、学力検査による選抜は「通常学力入試制度」「特例適用制度」「特例適用制度と通常学力入試制度の併願」の3つの出願方法があります。
推薦による選抜は「特例適用制度」によるため、各主専攻ごとの募集人員が定められています。
選抜方法 | 募集人員(合計65名) | |
推薦による選抜 | 機械・制御系 | 26名 |
電気・電子系 | 13名 | |
情報系 | 13名 | |
化学・生物・環境系 | 13名 |
学力検査による選抜は「特例適用制度」と「通常学力入試制度」それぞれで定員が決められています。
選抜方法 | 入試制度 | 募集人員(合計135名) | |
学力検査による選抜 | 特例適用制度 | 機械・制御系 | 12名 |
電気・電子系 | 6名 | ||
情報系 | 6名 | ||
化学・生物・環境系 | 6名 | ||
通常学力入試制度 | 105名 |
推薦による選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
推薦による募集人員 | 65名(約32%) 機械・制御系26名 電気・電子系13名 情報系13名 化学・生物・環境系13名 |
出願資格(成績等) | 中学校第1学年、第2学年及び第3学年の9教科の成績が、5段階評価の評定の合計で118以上 |
選抜方法 | 適性検査(数学、理科)と面接の総合点及び調査書で総合評価する 総合点の内訳は適性検査50%、面接50% |
茨城高専の推薦による選抜の出願資格は、中学校3年間の評定をすべて用いることとされています。
3学年の評定の合計で118以上という基準は、他の高専と比較しても高いため、推薦を狙う人は入学時から気が抜けないでしょう。
また、推薦でも数学と理科の適性検査が実施されます。
適性検査の配点と面接の配点が同じ扱いとされており、適性検査も非常に重要な判断材料となっています。
日程
WEB出願エントリー期間 | 令和7年12月1日~令和7年12月15日 |
書類提出期間 | 令和7年12月1日~令和7年12月15日(消印有効) |
検査日 | 令和8年1月9日 |
選抜結果通知 | 令和8年1月16日11時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年2月4日16時(必着) |
入学手続き | 令和8年2月26日 |
学力検査による選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力選抜による募集人員 | 135名(約67%) (特例適用制度) 機械・制御系12名 電気・電子系6名 情報系6名 化学・生物・環境系6名 (通常学力入試制度)105名 |
学力検査点の配点 | 国語、社会、数学、理科、英語の5教科 数学、理科は150点満点、国語、社会、英語は100点満点の合計600点満点 |
内申点の配点 | 不明 |
選抜方法 | 学力検査と調査書の総合評価で行う 総合評価の内訳は学力検査80%、調査書20% |
茨城高専の学力検査による選抜では、学力検査は5教科で行われ、数学と理科の配点が高めになっています。
調査書については科目ごとの配点は公表されていないため、配点の高い科目があったとしても分かりません。
なお、学力検査と調査書の配点比率は8:2とされているので、学力検査の比率がかなり高くなっています。
日程
WEB出願エントリー期間 | 令和8年1月6日~令和8年1月21日12時 |
書類提出期間 | 令和8年1月6日〜令和8年1月21日(消印有効) |
検査日 | 令和8年2月8日 |
合格発表日 | 令和8年2月16日11時 |
入試確約書提出期限 | 令和8年2月24日16時(必着) |
入学手続き | 令和8年2月26日 |
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
本科入学者選抜状況(令和5年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | |||
志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
国際創造工学科 | 132 | 73 | 256 | 136 |
本科入学者選抜状況(令和6年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | |||
志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
国際創造工学科 | 118 | 62 | 248 | 150 |
本科入学者選抜状況(令和7年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | |||
志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
国際創造工学科 | 106 | 67 | 232 | 137 |
茨城高専の入試の状況を見ると、過去3年とも推薦選抜の志願者数は100名を超えています。
ただ、志願者数自体は年々減少傾向にあるので、令和8年度入試がどれくらいの志願者を集めるのか注目されます。
学力選抜の志願者数もかなり多いので、茨城高専に入りたい方は相当の準備が必要と考えておきましょう。
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