高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 |
機械工学科 | 40名 | 特別選抜(地域創生型、一般推薦型)は入学定員の70%程度とする |
電気情報工学科 | 40名 | |
電子制御工学科 | 40名 | |
建設システム工学科 | 40名 |
舞鶴高専には4つの学科が設置されており、学生の募集は学科ごとに行われます。
特別選抜と呼ばれる選抜方法には、地域創生型と一般推薦型の2つがあり、この2つの選抜方法で全体の70%程度の学生が選ばれます。
地域創生型と一般推薦型では出願資格や受験日が異なるので、注意が必要です。
特別選抜(地域創生型)
舞鶴高専独自の選抜方法である地域創生型は、学力検査が実施されないことから推薦入試といえます。
ただ、一般推薦型とは別の試験として実施されるので、その違いを知っておきましょう。
試験の概要
募集人員 | 一般推薦型とあわせて70%程度(各学科28名程度) |
出願資格(成績等) | 中学校の第1学年、第2学年及び第3学年の9教科の学業成績が、5段階評価で108(平均4)以上である 北近畿およびその周辺地域、あるいは志願者の出身地域に根ざした活動を通じ、将来の地域産業の担い手となる意欲がある(出身地は問わない) |
選抜方法 | 推薦書、調査書及び面接の結果を総合する 一般面接(学校や志望学科のアドミッション・ポリシーに適合するかを評価)90点 地域面接(地域に根ざした活動に対する考えを評価)45点 調査書270点 合計405点 |
舞鶴高専の特別選抜(地域創生型)は、中学校での成績だけでなく、地域に根ざした活動を行う意欲があることが出願の条件となっています。
一方、中学校の学業成績に関しては、3年間を通じて平均4以上であることが条件となっています。
地域に根ざした活動とは、舞鶴高専のある地域のことだけではなく、自身の出身地も含むものなので、舞鶴高専のある北近畿以外の出身でも出願することができます。
日程
出願情報入力期間 | 令和7年11月24日〜令和7年12月12日16時 |
出願書類提出期間 | 令和7年12月8日〜令和7年12月12日 |
面接日 | 令和7年12月20日 |
適正検査免除(合格内定)通知 | 令和7年12月23日11時 |
入学説明会 | 令和8年3月1日 |
地域創生型で適性検査免除(合格内定)とならなかった場合、自動的に一般推薦型の出願をしたこととなります。
この場合、一般推薦型の適性検査を受験することができます。
特別選抜(一般選抜型)
舞鶴高専の推薦入試に相当する特別選抜は、地域創生型と一般推薦型の2つの方法で選抜が行われます。
一般選抜型だけに出願することもできますが、地域創生型を受験して合格しなかった場合は、自動的に一般推薦型を受験できます。
試験の概要
募集人員 | 一般推薦型とあわせて70%程度(各学科28名程度) |
出願資格(成績等) | 中学校の第1学年、第2学年及び第3学年の9教科の学業成績が優秀である |
選抜方法 | 推薦書、調査書、適性検査及び一般面接の結果を総合する 適性検査(理科、英語、数学)90点 一般面接90点 調査書270点 合計450点 |
地域創生型で適性検査免除(合格内定)とならなかった場合は、適性検査のみを受験します。
適性検査は筆答試験であり、マークシート方式ではありませんが、各科目10分間となっています。
日程
出願情報入力期間 | 令和7年12月1日〜令和7年12月19日16時 |
出願書類提出期間 | 令和7年12月15日〜令和7年12月19日 |
適性検査及び面接日 | 令和8年1月10日 |
合格者発表 | 令和8年1月15日10時 |
入学説明会 | 令和8年3月1日 |
学力検査選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力選抜による募集人員 | 各学科30%程度(各学科12名程度) |
複数学科の志望 | 第4志望学科まで選択可 |
学力検査点の配点 | 英語、数学150点 理科、国語、社会100点 |
選抜方法 | 5教科の学力検査の成績(600点満点)、調査書(400点満点)の合計1,000点で判定する |
舞鶴高専の学力検査選抜は、学力検査600点満点と調査書400点満点の合計1,000点満点で合否が判定されます。
募集要項では、調査書400点の計算方法は明らかにされていないので、中学3年間、どの科目も手を抜かずに取り組む必要があります。
日程
出願情報入力期間 | 令和8年1月5日〜令和8年1月23日 |
出願書類提出期間 | 令和8年1月19日〜令和8年1月23日 |
学力検査 | 令和8年2月8日 |
合格者発表 | 令和8年2月12日10時 |
入学確約書提出期限 | 期限はホームページで公表予定 |
入学説明会 | 令和8年3月1日 |
提携高専による追選考制度
提携する高専で入学定員に欠員が生じた学科がある場合に、舞鶴高専の学力検査選抜で合格にならなかった者を対象として追選考が行われます。
提携高専
舞鶴高専の提携高専は、以下の3校です。
- 明石工業高等専門学校
- 奈良工業高等専門学校
- 和歌山工業高等専門学校
追選考の申し込み手続き
提携高専において追選考を希望する場合は、別途申し込み手続きが必要になります。
なお、複数の学校で追選考が実施される場合でも、申し込みできるのは1校のみとなります。
舞鶴高専を受験した人の場合、追選考によって入学できる可能性があるのは、提携高専となっている明石、奈良、和歌山の各高専なので、それらの学校の情報に気を配るようにしましょう。
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
令和5年度入試
学科名 | 募集人員 | 志願者数 | うち特別選抜志願者数 | 志願倍率 | 合格者数 |
機械工学科 | 40 | 36 | 35 | 0.9 | 41 |
電気情報工学科 | 40 | 58 | 51 | 1.5 | 42 |
電子制御工学科 | 40 | 44 | 37 | 1.1 | 43 |
建設システム工学科 | 40 | 42 | 40 | 1.1 | 40 |
合計 | 160 | 180 | 163 | 1.1 | 166 |
令和6年度入試
学科名 | 募集人員 | 志願者数 | うち特別選抜志願者数 | 志願倍率 | 合格者数 |
機械工学科 | 40 | 51 | 48 | 1.3 | 41 |
電気情報工学科 | 40 | 44 | 38 | 1.1 | 41 |
電子制御工学科 | 40 | 43 | 41 | 1.1 | 41 |
建設システム工学科 | 40 | 42 | 41 | 1.1 | 41 |
合計 | 160 | 180 | 168 | 1.1 | 164 |
令和7年度入試
学科名 | 募集人員 | 志願者数 | うち特別選抜志願者数 | 志願倍率 | 合格者数 |
機械工学科 | 40 | 37 | 29 | 0.9 | 40 |
電気情報工学科 | 40 | 47 | 42 | 1.2 | 41 |
電子制御工学科 | 40 | 36 | 33 | 0.9 | 41 |
建設システム工学科 | 40 | 48 | 42 | 1.2 | 41 |
合計 | 160 | 168 | 146 | 1.1 | 163 |
いずれの年度も志願者の9割程度が特別選抜に志願者しています。
舞鶴高専を志願する人は、地域創生型も含めた特別選抜と学力検査選抜を見据えた受験対策を行う必要があります。
コメント