国公立高専の一般入試の比較 ③調査書・内申点の科目ごとの配点

高専の入試

国公立高専の令和6年度入学生の学力検査は、すべての学校において令和6年2月11日(日)に実施されます。
試験の日程がすべて一律に決められているだけでなく、試験問題は独立行政法人国立高等専門学校機構が作成するものが使われますし、時間割や実施時間もすべて統一されています。
ただし、高専の入試に学校の独自性がないわけではありません。
特に、調査書・内申点の配点の決め方は学校によりかなり特色があります。
そのため、受験する前に各学校の募集要項で、配点の決め方を調べておくようにしましょう。
調査書・内申点は努力したからといってすぐに上がるものではないため、普段の学校生活における取り組みも重要な意味を持つことを知っておきましょう。

何年生からの調査書・内申点が対象になるの

調査書・内申点の配点について知る前に、一般入試において、中学校のいつの時期の調査書・内申点が採点の対象になるのかを調べておきましょう。
募集要項に、対象時期が明確に記載されている学校があるので、まずは志望する学校の内容を確認しておきましょう。

中学校3年間の内申点が対象になる学校

中学校3年間の内申点がすべて対象になる学校は以下のとおりです。

  • 函館高専
  • 苫小牧高専
  • 釧路高専
  • 旭川高専
  • 明石高専
  • 津山高専
  • 久留米高専
  • 沖縄高専
  • 大阪公立大学高専

ただし、3年間の内申点をそのまま合計するのではなく、学年ごとに傾斜をつけて、3年生の内申点の比率が高くなるようにしている学校が多くなっています。

中学2、3年生の内申点が対象になる学校

中学2、3年生の内申点が対象になる学校は、以下のとおりです。

  • 富山高専
  • 岐阜高専
  • 豊田高専
  • 奈良高専
  • 香川高専
  • 熊本高専
  • 鹿児島高専

これらの中にも、3年生の内申点の比率が高くなるように傾斜をつけている学校があります。

中学3年生の内申点のみが対象になる学校

中学3年生の内申点だけを対象としている学校は、以下のとおりです。

  • 群馬高専
  • 東京高専
  • 長野高専
  • 米子高専
  • 北九州高専

なお、ここまで紹介した学校以外は、何年生の内申点を基準とするか明らかにしていません。
そのため、3年生だけ頑張ればいいというわけではないことも考えられます。
高専に進学したいと考える方は、その日からの学校での取り組みを見直すといいかもしれません。

調査書・内申点の科目ごとの配点

何年生の調査書・内申点が対象になるかと同じくらい合否に影響するのが、科目ごとの配点基準です。
学科試験と同じように、配点に比重を設けている学校もあれば、すべての科目を均等にしている学校もあります。
そこで、タイプ別に調査書・内申点の配点方法をご紹介します。

5科目重視型

国語、社会、数学、理科、英語の5科目の配点を高くして、合否判定の際に重視しているパターンです。

学校名5科目の配点5科目以外の4科目(技術・家庭、音楽、美術、保健体育)の配点
函館高専3015
苫小牧高専3015
釧路高専3015
旭川高専3015
東京高専3.63
沼津高専2015

実技科目重視型

調査書・内申点の配点において、実技科目を重視している学校があります。
これは、5科目の実力は学科試験で測ることができるため、調査書・内申点ではそれ以外の科目に比重を置くという方針であると考えられます。
また高専での学習には、実技科目の能力も必要不可欠なため、その判定に調査書・内申点を使うこととしたものと思われます。

学校名5科目の配点5科目以外の4科目(技術・家庭、音楽、美術、保健体育)の配点
奈良高専2035

数学・理科重視型

学科試験で数学や理科を重視し、配点を高くしている学校がありました。
調査書・内申点についても、同様に数学や理科の配点を高くしている学校があります。

学校名数学、理科の配点数学、理科以外の配点
豊田高専4020
津山高専6030
沖縄高専9045

数学・理科・英語重視型

高専で勉強する際には、英語の論文などを目にする機会も多くあるはずです。
そこで、数学や理科に加えて英語も重視して、調査書・内申点の配点を高くしている学校があります。
なお、長野高専では具体的な配点を公表していないため、科目ごとの比重のみが明らかにされています。

学校名数学、理科、英語の配点数学、理科、英語以外の配点
長野高専2倍1倍

全科目均等型

調査書・内申点について、すべての科目の配点を同一にしている学校です。
これらの学校も、学科試験については得点に傾斜をつけている場合があるので、いずれの内容も確認しておきましょう。

  • 岐阜高専
  • 明石高専
  • 米子高専
  • 香川高専
  • 久留米高専
  • 北九州高専
  • 熊本高専
  • 鹿児島高専
  • 大阪公立大学高専

その他

群馬高専は、調査書・内申点の配点についてかなり複雑な計算を行います。
科目ごとの配点は以下のとおりです。

国語社会数学理科英語技術・家庭音楽美術保健体育
151025252015555

科目ごとに、全部で5段階の傾斜をつけていることが分かります。
特に数学・理科・英語の配点が高いほか、技術・家庭の配点も高くなっているところに特徴があります。

多くの学校は調査書・内申点の得点の計算方法を明らかにしていない

ここまで、国公立高専の一般入試における調査書・内申点の計算方法をご紹介してきました。
ただ、ここでご紹介した学校以外の多くの学校は、調査書や内申点からの得点の計算基準や判定方法を公開していません。
そのため、事前に対策をすることは難しくなっています。
一般入試では、学科試験が重視されることは間違いなく、調査書・内申点からの得点は、学科試験の点数よりは低くなると考えられます。
そのため、できるだけ苦手な科目を作らないことが重要になるでしょう。
また、数学や理科、英語などの科目は高専に入ってからさらに重要になるため、中学校のうちから積極的に取り組むと良い結果になるはずです。



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