高専や高校などの進学先を検討している方は、進学先となる可能性のある学校の進路情報についても調べているかと思います。
入学時の偏差値は、その学校に合格するために必要な情報です。
一方、進路情報はその学校で学んだ結果、どのような進路を選択しているのかが分かります。
入学時の偏差値と進路情報を照らし合わせながら、どの学校に進むといいのかを考えている方も多いと思います。
このサイトでは、学校ごとの入学偏差値は取り扱っていません。
高校入試・高専入試の入学偏差値は各都道府県の高校入試の影響が大きいため、各地域ごとの情報を参考にしてください。
一方、高専を卒業してからの進路はこれまでもご紹介していますが、ここではより詳しく、より長期間にわたる進路の情報を作成しました。
本科に入学し卒業してから、専攻科に進んだ人が修了するまでの人数の推移を確認しておきましょう。
注意事項
ここでご紹介するのは、平成30(2018)年度に高専の本科に入学した学生が、その後本科を卒業し、さらに専攻科に進学した学生が令和6年度に修了するまでの人数の推移です。
| 本科入学 | 本科卒業 | 専攻科入学 | 専攻科修了 |
| 平成30(2018)年度 | 令和4(2022)年度 | 令和5(2023)年度 | 令和6(2024年度) |
| 2018年4月入学 | 2023年3月卒業 | 2023年4月入学 | 2025年3月修了 |
本科入学から専攻科終了まで、最短で7年かかります。
この間の卒業生・修了生の人数や進路について、各学校の公表している情報をもとにその人数を調査しています。
入学人数と卒業・修了した人数を比較すると、中退した人や留年した人がいると推測されます。
ただ、本科に編入学してくる人や留学してくる人、あるいは前年以前に留年した人が卒業・修了生に含まれていることもあるので、人数は参考程度と考えていただければと思います。
専攻科に入学してくる学生の多くは、その高専の本科を卒業した学生です。
しかし、中にはほかの高専から入学してくる学生や、ほかの高専の専攻科に進学する学生もいるので、卒業生の進路と入学生の人数は必ずしも一致しません。
旭川高専
旭川高専は、日本最北の地にある高専です。
平成30年度に本科に入学した171名の学生の、その後の推移は以下の表のようになります。

当初171名が入学したのですが、5年間の本科の課程を卒業したのはおよそ86%の147名です。
卒業生には前年以前に留年していた学生が含まれている可能性もあるので、平成30年度入学で令和4年度に卒業した学生は、もっと少ない可能性もあります。
卒業生のうち専攻科に進学したのは、当初の入学者数171名のうち19%にあたる33名で、ほかには大学等への進学が35名(20%)、就職等が79名(46%)となっています。
専攻科の入学者は、旭川高専本科からの33名を含めた34名となっています。
このうち令和6年度に終了したのは32名で、大学院等に進学したのは12名、就職等が20名となっています。
旭川高専を卒業・修了した学生の進路については、以下の記事も参考にしてください。
福井高専
福井高専では、令和8年度からそれまでの5学科体制から1学科5系9コースの体制に変更されます。
ここでご紹介するのは、以前の5学科体制だった時期の入学者の推移となります。

平成30年度の本科入学者数は207名でした。
これに対して、本科の課程を終えて令和4年度に卒業したのは、およそ90%の合計186名です。
この中に平成30年度の入学生207名がどれだけ含まれているか、はっきりとしたことは分かりません。
卒業生186名のうち専攻科に進学したのはおよそ32名で当初の入学者数のうち15%となっており、全員がそのまま福井高専専攻科に進んでいます。
また、大学に編入学したのは52名(25%)、就職等は102名(49%)となっています。
令和5年度に専攻科に入学したのは32名でしたが、令和6年度に専攻科を修了したのは31名です。
このうち大学院等に進学したのは5名で、残りの26名は就職しています。
福井高専を卒業・修了した学生の進路については、以下の記事も参考にしてください。
岐阜高専
岐阜高専には5つの学科が設置されており、それぞれの学科ごとに進学や就職の人数が公表されています。
ここでは、学校全体としての人数をご紹介していきます。

平成30年度に岐阜高専の本科に入学したのは、合計211名です。
一方、令和4年度に本科を卒業したのは93%にあたる197名です。
当初の入学者数211名のうち18%程度の39名が、岐阜高専専攻科に進学しています。
また、54名(26%)が大学等に進学、104名(49%)が就職しています。
令和5年度に専攻科に入学したのは39名ですが、令和6年度に専攻科を修了した人は42名となっています。
これには、前年度から留年していた学生が修了したなどの要因が考えられます。
このうち大学院等に進学したのは11名で、就職したのは31名となっています。
岐阜高専を卒業・修了した学生の進路については、以下の記事も参考にしてください。
入学者数と卒業者数の違いについて
高専に入学するには、ある程度の偏差値や中学時代の内申点などの実績が必要であり、多くの人が高専に入りたいと志願して入学してきます。
しかし、今回ご紹介したいずれの学校も、入学したもののストレートで卒業できなかった人が一定数いることが分かります。
特に旭川高専では、平成30年度入学生の10%以上がストレートに卒業できていません。
これは、高校の中でも進学校と呼ばれるような学校では、あまり見られない現象です。
高専を卒業するのは、高校を卒業するより難しいといえそうです。
進級できずに留年してしまう、学校での教育内容が合わず中退してしまうということが、同程度の偏差値を持つ高校に比べると多いといわれます。
高専での教育は、高校のように大学進学を目的としたものではなく、専門性の高い内容となっています。
当然、そのことを分かって入学してくるのですが、それでも学校が肌に合わないという人が一定数いるということになります。
また、高専では寮に入る人がいますが、その寮での生活が合わない人もいるでしょう。
はじめて自宅を出ての集団生活で、人間関係に悩むような人もいるかもしれません。
高専での専門分野の教育に魅力を感じて進学するのであればいいのですが、大学・大学院への進学を目的として高専に入りたいと考えている方は要注意です。
高専進学を考えている中学生の親御さんで、このサイトを目にしている方は、改めて高専に進学する目的についてお子さんと考えてみるといいでしょう。
【まとめ】高専本科→専攻科→大学院の人は当初入学者の10%以下
3校の高専について、本科入学から専攻科、そして終了後の進路を確認してきました。
本科から専攻科への進学者数は、当初の入学者数の20%以下の一方、本科卒業後に就職するのは入学者数の半数程度となっています。
また、専攻科に進学して修了した人のうち大学院に進学したのは、いずれの学校も当初入学者の10%以下となっています。
高専に入学してきた人がすべて進学を希望しているわけではなく、初めから本科を卒業したら就職したいと考えている人もいます。
ただ、進学を希望している人が、すべてその希望どおりの進路を選択できているわけではない可能性があります。
また、高専本科に入学してから卒業できない人もいるので、高専に進学すべきかどうかを考える必要もあります。
もちろん、高専での教育に魅力を感じた人にとっては、高校より良い環境で学ぶことができるでしょう。
気になる方は、オープンキャンパスなどのイベントに積極的に参加し、その空気を味わってみましょう。








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