5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
旭川高専の概要
旭川高専には機械システム工学科、電気情報工学科、システム制御情報工学科、物資化学工学科の4つの学科が設置されています。
各学科ごとの進路の状況が公表されているので、そのデータを確認していきましょう。
機械システム工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 18 | 15 | 1 | 34 |

| 旭川高専専攻科 | 6 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 4 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 1 |
| その他の国立大学 | 3 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 1 |
| その他 | 0 |
就職がわずかに50%を上回り、進学より就職の方が多いことが分かります。
電気情報工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 24 | 10 | 1 | 35 |

| 旭川高専専攻科 | 4(このほか苫小牧高専専攻科1) |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 2 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 3 |
| その他の国立大学 | 0 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 0 |
| その他 | 0 |
就職は7割弱、就職は3割弱ということで、就職の方が進学の2倍以上となっています。
進学先は専攻科、2つの技術科学大学、北海道大学と東北大学の旧帝大がすべてであり、これ以外の国公立大学や私立大学への進学者はいなかったという結果になっています。
システム制御情報工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 15 | 14 | 0 | 29 |

| 旭川高専専攻科 | 2 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 7 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 1 |
| その他の国立大学 | 3 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 1 |
| その他 | 0 |
就職と進学はほぼ同数となっています。
旭川高専の中では、最も進学の割合が高い学科でした。
進学先では豊橋技術科学大学が最多の6名であり、その他はいずれも2名か1名となっています。
物資化学工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 20 | 12 | 1 | 33 |

| 旭川高専専攻科 | 5 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 4 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 1 |
| その他の国立大学 | 1 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 0 |
| その他 | 1 |
就職の方が進学より多いことが分かります。
進学先で最も多いのは旭川高専専攻科で5名、次いで豊橋技術科学大学の4名となっています。
まとめ
旭川高専全体としてみると、就職の方が進学よりかなり多い結果となっています。
ただし、学科ごとに進路をみるとその傾向には大きな違いがあることが分かります。
進学先の特徴としては、旭川高専(17名)の次に多いのが豊橋技術科学大学(15名)となっていることです。
技術科学大学は豊橋の他に長岡もありますが、長岡技術科学大学に進んだ人はわずか2名でした。



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