5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
苫小牧高専の概要
苫小牧高専は創造工学科の1学科のみが設置されています。
創造工学科の中には機械系、都市・環境系、応用化学・生物系、電気電子系の4つの系が設置されています。
なお、各系ごとの進学者の人数は分かりますが、進学先の詳細な情報、あるいは各系ごとの就職者の人数は不明なので、ここでは基本的に学科としての人数を紹介していきます。
創造工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 121 | 60 | 1 | 182 |

| 苫小牧高専専攻科 | 21 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 18 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 4 |
| その他の国立大学 | 12 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 2 |
| その他 | 3 |
就職と進学の比率は2:1となっています。
進学先として最も多いのは苫小牧高専専攻科ですが、2つの技術科学大学にもあわせて18名が進学しています。
また、「その他の国立大学」のうち9名は、比較的近くにある室蘭工業大学への進学者となっています。
なお、系別の進学者の人数は以下のようになっています。
人数だけでは比率は判断できませんが、応用化学・生物系の進学者数が多く、逆に電気電子系の進学者数は少ない結果となっています。
| 機械系 | 都市・環境系 | 応用化学・生物系 | 電気電子系 | 情報科学・工学系 |
| 13 | 11 | 18 | 7 | 11 |
参考データとして、令和5年度卒業生については以下のようになっています。
就職と進学の比率2:1は前年度も変わりないようです。
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 124 | 61 | 5 | 190 |
まとめ
苫小牧高専のある苫小牧市は、北海道の中でも有数の工業地帯であり、多くの事業所があります。
その影響もあるのか、苫小牧高専から就職する学生は北海道内で就職する人も比較的多くいました。
ただ、令和6年度卒業生については、ここ数年より北海道外への就職者の割合が増えたようです。
(就職者のうち道内就職者の割合 令和4年度40.2%→令和5年度35.5%→令和6年度29.8%)



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