高専を卒業した学生の約半数は就職し、残りの半数は高専の専攻科や大学に進学していきます。
このうち、大学に編入する学生の有力な進学先として、豊橋技術科学大学や長岡技術科学大学があることはすでにご紹介しました。
また、高専から難関10大学と呼ばれる大学に編入していく学生もいます。
ただ、これらの大学以外にも多くの国公立大学があり、高専からそのような大学に編入をはたしている学生も多くいます。
そこで、どのような国公立大学にどれくらいの人が編入しているのか、その実績をご紹介します。
また、大学ではどのような編入学試験を実施しているのか、その概要も確認していきます。
国公立大学への編入学の実績(令和4年度)
まずは、高専機構が公表している「国立高専機構 概要」から、どのような国公立大学に編入しているのかを一覧でご紹介します。
ここでご紹介するデータは、2023年度に公表されたものであり、令和4年度の卒業生についての人数となります。
大学名 | 人数 |
---|---|
筑波大学 | 67 |
熊本大学 | 55 |
千葉大学 | 54 |
東京農工大学 | 53 |
九州工業大学 | 53 |
岡山大学 | 49 |
新潟大学 | 44 |
金沢大学 | 43 |
信州大学 | 41 |
広島大学 | 35 |
福井大学 | 33 |
京都工芸繊維大学 | 27 |
宇都宮大学 | 25 |
岐阜大学 | 25 |
三重大学 | 24 |
徳島大学 | 24 |
茨城大学 | 23 |
電気通信大学 | 23 |
山梨大学 | 23 |
群馬大学 | 20 |
佐賀大学 | 20 |
東京都立大学 | 20 |
国公立大学のうち、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、難関10大学を除いて、編入した学生の多い順に記載したランキングです。
これらの大学についても、(私なりに)いくつかに分類することができるのでご紹介します。
(1)難関10大学に次ぐ知名度・人気のある大学
難関10大学ほどではないが、それに続く人気と実力を誇る大学として、その地方からはもとより全国からも学生を集めている大学です。
このランキングの上位には、そのような大学がズラッと並んでいます。
- 筑波大学
- 熊本大学
- 千葉大学
- 岡山大学
- 新潟大学
- 金沢大学
- 広島大学
高校から大学入試を受けて進学しようとする場合、偏差値は難関10大学に次いで高く、知名度もあり、全国から受験生を集めています。
編入学試験でも、多くの志願者を集める大学となっています。
(2)理科系の単科大学
工学部などの理系学部のみを持つ大学です。
難関10大学には東京工業大学がありますが、これ以外にも単科大学で高専から編入する際に人気となっている大学があります。
- 東京農工大学
- 九州工業大学
- 京都工芸繊維大学
- 電気通信大学
国立大学では、他にも北見工業大学、室蘭工業大学、名古屋工業大学などの理科系の単科大学があります。
企業などからの評価も高く、学生には人気の進学先となっています。
(3)各県にある国立大学
各都道府県には、少なくとも1校、国立大学があります。
設置されている学部は大学により異なるため、どの大学でも編入の候補となるわけではありません。
(1)のタイプと明確な違いがあるわけではありませんが、より地元密着型の大学ということができます。
- 信州大学
- 福井大学
- 宇都宮大学
- 岐阜大学
- 三重大学
- 徳島大学
- 茨城大学
- 山梨大学
- 群馬大学
- 佐賀大学
全国的な知名度は劣る大学もありますが、地元では絶大な知名度と抜群の信頼を得ており、地元の高専からの進学者が多くなっています。
(4)公立大学
全国各地に都道府県や市が設置した公立大学があります。
理系学部を持つ公立大学の中には、多くの高専出身者の編入先となっている大学があります。
- 東京都立大学
この他にも、高専卒業後に大阪公立大学や滋賀県立大学、北九州市立大学などの公立大学に進む学生がいます。
高専から編入する大学の決め方は様々。自分にあった大学を見つけよう。
高専から大学に進学しようとする人の多くは、国公立大学への編入を目指しています。
ただ、一口に国公立大学といっても、その種類は様々で、学生の選抜方法も異なります。
そのため、高専から大学編入を目指す方は、どのような大学が自分にあっているのかよく考えて、志望校を決定する必要があります。
今回ご紹介した国公立大学の分類によって、大学の特徴にも違いが出るので、地元の大学がいいのか、あるいは全国的な知名度のある大学がいいのかといったことも考えながら、志望校を決定するようにしましょう。
また、大学ごとに異なる編入学試験の方法については、別記事でご紹介します。
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