5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
釧路高専の概要
釧路高専は創造工学科1学科のみを設置しています。
創造工学科はスマートメカニクスコース、エレクトロニクスコース、建築デザインコースの3つのコースに分かれており、さらにスマートメカニクスコースは情報工学分野と機械工学分野、エレクトロニクスコースは電気工学分野と電子工学分野に分かれています。
卒業生の就職と進学の別はコース・分野ごとに、その人数が公表されています。
また、進学者の内訳は学科全体の人数だけが公表されています。
スマートメカニクスコース情報工学分野
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 12 | 6 | 1 | 19 |

就職の人数が進学の倍となっています。
スマートメカニクスコース機械工学分野
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 8 | 5 | 1 | 14 |

就職の方が進学より多いのですが、就職者の比率は情報工学分野より低くなっています。
エレクトロニクスコース電気工学分野
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 18 | 7 | 1 | 26 |

7割近くの学生が就職しています。
釧路高専の中では、最も就職の割合が高いという結果になりました。
エレクトロニクスコース電子工学分野
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 12 | 12 | 1 | 25 |

就職と進学の人数が同数となりました。
建築デザインコース
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 18 | 14 | 0 | 32 |

就職と進学の差はそれほど大きくないので、釧路高専の中では就職の割合が低いコース・分野の1つとなっています。
創造工学科(進学先)
| 釧路高専専攻科 | 14 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 19 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 2 |
| その他の国立大学 | 5 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 2 |
| その他 | 2 |
創造工学科全体の進学先としては、釧路高専専攻科が最多です。
次いで豊橋技術科学大学が13名、長岡技術科学大学が6名、北海道大学と千葉工業大学が2名となっています。
技術科学大学への進学者は、過去の統計をみても、豊橋の方が長岡より多い傾向にあるようです。
まとめ
釧路高専の大きな特徴として、北海道にある高専の中では北海道外出身者の割合が高いことがあげられます。
令和7年度に入学してきた学生148名のうち39名は北海道外の出身者であり、4人に1人以上の割合となっています。
一方で、令和6年度の卒業生の人数が116名であり、本来の入学定員よりかなり少ないのも気になります。
ここ数年、入学者の人数は定員割れとなっているため、釧路高専を志望する方にとってはプラスともマイナスとも考えられる状況となっています。



コメント