5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
八戸高専の概要
八戸高専には産業システム工学科の1学科のみが設置されています。
産業システム工学科は、機械システムデザインコース、電気情報工学コース、マテリアル・バイオ工学コース、環境都市・建築デザインコースの4つのコースに分かれており、進路の状況は各コースごとに公表されています。
また進学先については、学科全体の数値として公表されています。
機械システムデザインコース
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 23 | 14 | 1 | 38 |

就職の方が進学より多くなっており、八戸高専の4つのコースの中では最も就職の割合が高くなっています。
電気情報工学コース
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 21 | 22 | 1 | 44 |

就職と進学の人数はほぼ同数となっています。
マテリアル・バイオ工学コース
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 12 | 22 | 0 | 34 |

進学を選ぶ学生は、就職する学生のおよそ2倍となっています。
前年度の令和5年度卒業生も、就職17名、進学23名となっており、進学を希望する人の方が多い傾向となっています。
環境都市・建築デザインコース
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 22 | 17 | 2 | 41 |

就職の方が進学より若干多くなっています。
産業システム工学科
| 八戸高専専攻科 | 24(他に函館高専専攻科3名) |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 12 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 5 |
| その他の国立大学 | 22 |
| 公立大学 | 1 |
| 私立大学 | 8 |
| その他 | 0 |
進学先のデータは、学科全体の人数で公表されています。
高専専攻科や国公立大学が多いのはどの高専でも変わりませんが、八戸高専の場合は私立大学への進学者も一定数いました。
また、高専専攻科に進んだ学生の中には、函館高専に進学した学生も3名いました。
その他の国立大学には地元の弘前大学も含まれていますが、進学した学生は0人であり、過去5年間でもわずか2名だけとなっています。
まとめ
八戸高専を卒業して就職する人と進学する人の割合は、トータルで見るとほぼ半々となっていますが、コースによって就職が多いか進学が多いかという傾向があり、はっきり分かれています。
ただ、就職が多いコースでは進学が不利になるといったことはないので、将来の進路より自身の興味でコースを選択するようにしましょう。


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