高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
| 学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 | 
| 機械工学科 | 40名 | 各学科とも8名程度(20%程度) | 
| 電気電子工学科 | 40名 | |
| 制御情報工学科 | 40名 | |
| 生物応用化学科 | 40名 | |
| 材料システム工学科 | 40名 | 
久留米高専には5つの学科が設置されており、学科ごとに学生の募集が行われます。
1学科あたりの入学定員は40名であり、あわせて200名の募集が行われます。
なお、推薦による選抜の募集人員は各学科8名程度とされており、その比率は20%程度となるのでかなり低めになっています。
推薦による選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
| 推薦による募集人員 | 各学科8名程度(1学科あたり20%程度、あわせて40名) | 
| 出願資格(成績等) | 第2学年及び第3学年の9教科の評定(5段階評価)の総計が77以上 | 
| 選抜方法 | 第1志望の学科のみ 調査書等の提出書類と適性検査(数学)・面接を総合的に判定する | 
久留米高専の推薦による選抜では面接のほか、数学の適性検査も実施されます。
出願資格は2年生と3年生における評定の合計が5段階評価で77以上とされており、1学年あたりの平均では38.5、つまりオール4では足りないということになります。
推薦による選抜の募集人員はほかの高専と比較すると少ないので、高いレベルでの競争となることが予想されます。
日程
| Web出願エントリー | 令和7年12月5日〜令和8年1月7日 | 
| 出願書類受付期間 | 令和8年1月5日〜令和8年1月9日(消印有効) | 
| 検査日 | 令和8年1月17日 | 
| 選抜結果通知 | 令和8年1月27日15時 | 
| 入学確約書提出 | 令和8年2月6日 | 
| 入学手続 | 令和8年3月10日 | 
学力検査による選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
| 学力選抜による募集人員 | 各学科32名程度(1学科あたり80%程度、あわせて160名) | 
| 出願の方式 | 第3志望まで出願可 | 
| 学力検査点の配点 | 数学・理科各150点、国語・社会・英語各100点の合計600点満点 | 
| 調査書点の計算方法 | 各学年9教科の評定(5段階評価)の合計135点満点 | 
| 選抜方法 | 5教科の学力検査の成績(600点満点)、調査書(135点満点)の合計(735点満点)で判定する | 
久留米高専の学力検査による選抜では、全体の80%程度の学生を募集します。
出願の際には第3志望の学科まで選ぶことができます。
学力検査の配点では、数学と理科の配点が1.5倍になっており、理数系の科目を重視していることが分かります。
一方、調査書では中学校3学年すべてが対象になるので、中学校すべての学年において手を抜くことはできません。
日程
| Web出願エントリー | 令和8年1月10日〜令和8年1月21日 | 
| 出願書類受付期間 | 令和8年1月20日〜令和8年1月23日(消印有効) | 
| 学力検査 | 令和8年2月8日 | 
| 合格者発表 | 令和8年2月18日11時 | 
| 入学手続 | 令和8年3月10日 | 
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
令和4年度入試
| 入学定員 | 総志願者数 | うち推薦志願者数 | 合格者数 | 入学者数 | |
| 機械工学科 | 40 | 74 | 21 | 43 | 42 | 
| 電気電子工学科 | 40 | 65 | 20 | 43 | 42 | 
| 制御情報工学科 | 40 | 113 | 30 | 43 | 42 | 
| 生物応用化学科 | 40 | 83 | 39 | 43 | 40 | 
| 材料システム工学科 | 40 | 40 | 19 | 43 | 43 | 
令和5年度入試
| 入学定員 | 総志願者数 | うち推薦志願者数 | 合格者数 | 入学者数 | |
| 機械工学科 | 40 | 57 | 23 | 43 | 40 | 
| 電気電子工学科 | 40 | 82 | 21 | 43 | 42 | 
| 制御情報工学科 | 40 | 119 | 37 | 43 | 43 | 
| 生物応用化学科 | 40 | 81 | 47 | 43 | 42 | 
| 材料システム工学科 | 40 | 38 | 13 | 43 | 42 | 
令和6年度入試
| 入学定員 | 総志願者数 | うち推薦志願者数 | 合格者数 | 入学者数 | |
| 機械工学科 | 40 | 44 | 10 | 43 | 43 | 
| 電気電子工学科 | 40 | 57 | 22 | 43 | 43 | 
| 制御情報工学科 | 40 | 106 | 36 | 43 | 43 | 
| 生物応用化学科 | 40 | 90 | 44 | 44 | 44 | 
| 材料システム工学科 | 40 | 67 | 19 | 44 | 42 | 
学科ごとにみると、いずれの年度も制御情報工学科の志願者数が飛び抜けて多いことが分かります。
逆に機械工学科や材料システム工学科などは志願者数が少なく、志願倍率も低めになっています。
なお、令和7年度入試の状況については、出願状況のみ公表されています。
令和7年度入試
| 推薦 | 学力 | 合計 | |
| 機械工学科 | 16 | 42 | 58 | 
| 電気電子工学科 | 19 | 25 | 44 | 
| 制御情報工学科 | 41 | 75 | 116 | 
| 生物応用化学科 | 28 | 30 | 58 | 
| 材料システム工学科 | 17 | 19 | 36 | 
| 合計 | 121 | 191 | 312 | 
ここでもやはり、制御情報工学科の人気が非常に高くなっていることが分かります。
 
  
  
  
  






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