絶対に高専に入りたい人は、各高専の倍率や志願者の状況を確認しておこう(1)

高専の入試

前回、国立工業高専の所在する都道府県ごとの中学3年生の人数と、高専の定員の関係を調べました。
高専の定員1人あたりの中学生の人数が多ければ、その分競争率は上がり入りにくくなると考えたのです。
ただ、学校ごとの人気や学科による違いもあるため、単純に定員だけでは見えてこない部分もあります。
そこで、今回は令和4年度の入試結果から、学校や学科ごとの状況を確認していきます。

高専入試の倍率(推薦・一般)

高専の入試の出願者や合格者の人数は、各高専がその人数を公表しています。
これらのデータから、倍率の低い学校を探すことができます。

ここでは、令和4年度の入試データから推薦入試、一般入試に分けてそれぞれの学校の倍率をご紹介します。
なお、出願者の人数は第一希望の出願者のみ、合格者の人数は第二希望以下からの合格者も含むため、出願者より合格者の方が多くなっている場合があります。

高専の定員1人あたりの公立中学3年生の人数が少ない県から順に、ご紹介していきましょう。

鳥取県(定員1人あたり22.94人)

鳥取県にある米子高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者②合格者①/②
総合工学科4721992.37倍
※推薦入試と一般入試の合計

高知県(定員1人あたり27.46人)

高知県にある高知高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
ソーシャルデザイン工学科1791371.31倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
ソーシャルデザイン工学科57321.78倍

島根県(定員1人あたり28.14人)

島根県にある松江高専の定員と出願者、合格者について、令和4年度のデータは公表されていませんでした。

香川県(定員1人あたり28.72人)

香川県にある香川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科20201.00倍
電気情報工学科42202.10倍
機械電子工学科14141.00倍
建設環境工学科20201.00倍
通信ネットワーク工学科14141.00倍
電子システム工学科15151.00倍
情報工学科37201.85倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科22221.00倍
電気情報工学科48222.18倍
機械電子工学科18290.62倍
建設環境工学科22221.00倍
通信ネットワーク工学科16280.57倍
電子システム工学科24270.89倍
情報工学科48222.18倍

山口県(定員1人あたり33.58人)

山口県にある徳山高専、宇部高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

【徳山高専】

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械電気工学科23201.15倍
情報電子工学科33201.65倍
土木建築工学科46212.30倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
①出願者②合格者①/②
機械電気工学科55202.75倍
情報電子工学科80204.00倍
土木建築工学科80194.21倍

【宇部高専】

①出願者②合格者①/②
①出願者②合格者①/②
機械工学科69421.64倍
電気工学科88432.04倍
制御情報工学科79421.88倍
物質工学科93432.16倍
経営情報学科57431.33倍
※推薦入試と一般入試の合計

徳島県(定員1人あたり34.45人)

徳島県にある阿南高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
創造技術工学科(機械)18
創造技術工学科(電気)18
創造技術工学科(情報)19
創造技術工学科(建設)12
創造技術工学科(化学)13
創造技術工学科(共通)20
※公表しているのは推薦入試の合格者数のみ

福井県(定員1人あたり34.67人)

福井県にある福井高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科19270.70倍
電気電子工学科32291.10倍
電子情報工学科48291.66倍
物質工学科26290.90倍
環境都市工学科39291.34倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科27141.93倍
電気電子工学科12121.00倍
電子情報工学科32122.67倍
物質工学科10120.83倍
環境都市工学科19121.58倍

富山県(定員1人あたり42.35人)

富山県にある富山高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです(商船学科を除く)。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械システム工学科20201.00倍
電気制御システム工学科29211.38倍
物質化学工学科41231.78倍
電子情報工学科34201.70倍
国際ビジネス学科73223.32倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
機械システム工学科38231.65倍
電気制御システム工学科39211.86倍
物質化学工学科50192.63倍
電子情報工学科50212.38倍
国際ビジネス学科69223.14倍

和歌山県(定員1人あたり44.11人)

和歌山県にある和歌山高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
知能機械工学科29142.07倍
電気情報工学科27141.93倍
生物応用化学科34142.43倍
環境都市工学科28142.00倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
知能機械工学科45182.50倍
電気情報工学科38182.11倍
生物応用化学科34181.89倍
環境都市工学科39182.17倍

(体験実習入試)

①出願者②合格者①/②
知能機械工学科3384.13倍
電気情報工学科2883.50倍
生物応用化学科2282.75倍
環境都市工学科2483.00倍

秋田県(定員1人あたり44.66人)

秋田県にある秋田高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
創造システム工学科113891.27倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
創造システム工学科100811.23倍

石川県(定員1人あたり50.09人)

石川県にある石川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者②合格者(推薦)②合格者(一般)①/②
機械工学科6317251.50倍
電気工学科6217251.48倍
電子情報工学科6717261.56倍
環境都市工学科7318241.74倍
建築学科7117251.69倍

奈良県(定員1人あたり51.57人)

奈良県にある奈良高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者②合格者①/②
機械工学科43431.00倍
電気工学科40420.95倍
電子制御工学科41420.98倍
情報工学科71411.73倍
物質化学工学科66421.57倍
※推薦入試と一般入試の合計

愛媛県(定員1人あたり53.80人)

愛媛県にある新居浜高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者(推薦)①出願者(一般)②合格者①/②
機械工学科1826401.10倍
電気情報工学科1729421.10倍
電子制御工学科3826411.56倍
生物応用化学科3429441.43倍
環境材料工学科2326421.17倍

北海道(定員1人あたり54.45人)

北海道にある函館高専、苫小牧高専、釧路高専、旭川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

【函館高専】

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
生産システム工学科56561.00倍
物質環境工学科21211.00倍
社会基盤工学科661.00倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
生産システム工学科1391031.35倍
物質環境工学科36341.06倍
社会基盤工学科35311.13倍

【苫小牧高専】

①出願者(推薦)①出願者(一般)②合格者①/②
創造工学科952703301.11倍

【釧路高専】

①出願者(推薦)①出願者(一般)②合格者①/②
創造工学科612032041.29倍

【旭川高専】

①出願者(推薦)①出願者(一般)②合格者①/②
機械システム工学科2924471.13倍
電気情報工学科2442641.03倍
システム制御情報工学科2851741.07倍
物質化学工学科2762751.19倍

山形県(定員1人あたり55.55人)

山形県にある鶴岡高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者②合格者①/②
創造工学科1631591.03倍
※推薦入試と一般入試の合計

大分県(定員1人あたり59.11人)

大分県にある大分高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科68411.66倍
電気電子工学科79411.93倍
情報工学科69401.73倍
都市・環境工学科78411.90倍
※公表しているのは推薦入試のみ

青森県(定員1人あたり59.71人)

青森県にある八戸高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

①出願者(推薦)①出願者(一般)②合格者①/②
産業システム工学科 機械・医工学コース2239611.00倍
産業システム工学科 電気情報工学コース3762661.50倍
産業システム工学科 マテリアル・バイオ工学コース2946671.12倍
産業システム工学科 環境都市・建築デザインコース3745591.39倍

宮崎県(定員1人あたり59.71人)

宮崎県にある都城高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科33201.65倍
電気情報工学科33201.65倍
物質工学科40202.00倍
建築学科34201.70倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
機械工学科32211.52倍
電気情報工学科45202.25倍
物質工学科26211.24倍
建築学科24211.14倍

岩手県(定員1人あたり61.22人)

岩手県にある一関高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
未来創造工学科134
※公表しているのは一般入試の出願者のみ

熊本県(定員1人あたり66.15人)

熊本県にある熊本高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。

(推薦入試)

①出願者②合格者①/②
情報通信エレクトロニクス学科46162.88倍
制御情報システム工学科33162.06倍
人間情報システム工学科35162.19倍
機械知能システム工学科26161.63倍
建築社会デザイン工学科20161.25倍
生物化学システム工学科41162.56倍

(一般入試)

①出願者②合格者①/②
情報通信エレクトロニクス学科85273.15倍
制御情報システム工学科40271.48倍
人間情報システム工学科43281.54倍
機械知能システム工学科44271.63倍
建築社会デザイン工学科29271.07倍
生物化学システム工学科60272.22倍

定員に占める中学生の数は無関係?

ここまで、高専の定員1人あたりに対する中学3年生の人数が少ない上位20の道と県について令和4年度の入試における倍率を確認してきました。
定員に対する中学生の数が少ないのであれば、その分競争率も低くなり、高専に入りやすくなるのではないかと予想していましたが、実際はそのような傾向はなさそうです。
高専以外の進学先の人気、あるいは高専の学校や学科の人気にも倍率は左右されるため、中学生の数が少ないからといって、競争が抑えられるというわけではありません。

今回は、中学生が少ない上位20の道県をご紹介しました。
次回は中学生の数が多く、競争が激しそうな県にある高専の入試における倍率をご紹介します。

にほんブログ村 教育ブログ 専門学校教育へ にほんブログ村 教育ブログ 教育情報へ にほんブログ村 受験ブログ 受験情報へ PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました