前回、国立工業高専の所在する都道府県ごとの中学3年生の人数と、高専の定員の関係を調べました。
高専の定員1人あたりの中学生の人数が多ければ、その分競争率は上がり入りにくくなると考えたのです。
ただ、学校ごとの人気や学科による違いもあるため、単純に定員だけでは見えてこない部分もあります。
そこで、今回は令和4年度の入試結果から、学校や学科ごとの状況を確認していきます。
- 高専入試の倍率(推薦・一般)
- 鳥取県(定員1人あたり22.94人)
- 高知県(定員1人あたり27.46人)
- 島根県(定員1人あたり28.14人)
- 香川県(定員1人あたり28.72人)
- 山口県(定員1人あたり33.58人)
- 徳島県(定員1人あたり34.45人)
- 福井県(定員1人あたり34.67人)
- 富山県(定員1人あたり42.35人)
- 和歌山県(定員1人あたり44.11人)
- 秋田県(定員1人あたり44.66人)
- 石川県(定員1人あたり50.09人)
- 奈良県(定員1人あたり51.57人)
- 愛媛県(定員1人あたり53.80人)
- 北海道(定員1人あたり54.45人)
- 山形県(定員1人あたり55.55人)
- 大分県(定員1人あたり59.11人)
- 青森県(定員1人あたり59.71人)
- 宮崎県(定員1人あたり59.71人)
- 岩手県(定員1人あたり61.22人)
- 熊本県(定員1人あたり66.15人)
- 定員に占める中学生の数は無関係?
高専入試の倍率(推薦・一般)
高専の入試の出願者や合格者の人数は、各高専がその人数を公表しています。
これらのデータから、倍率の低い学校を探すことができます。
ここでは、令和4年度の入試データから推薦入試、一般入試に分けてそれぞれの学校の倍率をご紹介します。
なお、出願者の人数は第一希望の出願者のみ、合格者の人数は第二希望以下からの合格者も含むため、出願者より合格者の方が多くなっている場合があります。
高専の定員1人あたりの公立中学3年生の人数が少ない県から順に、ご紹介していきましょう。
鳥取県(定員1人あたり22.94人)
鳥取県にある米子高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
総合工学科 | 472 | 199 | 2.37倍 |
高知県(定員1人あたり27.46人)
高知県にある高知高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
ソーシャルデザイン工学科 | 179 | 137 | 1.31倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
ソーシャルデザイン工学科 | 57 | 32 | 1.78倍 |
島根県(定員1人あたり28.14人)
島根県にある松江高専の定員と出願者、合格者について、令和4年度のデータは公表されていませんでした。
香川県(定員1人あたり28.72人)
香川県にある香川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 20 | 20 | 1.00倍 |
電気情報工学科 | 42 | 20 | 2.10倍 |
機械電子工学科 | 14 | 14 | 1.00倍 |
建設環境工学科 | 20 | 20 | 1.00倍 |
通信ネットワーク工学科 | 14 | 14 | 1.00倍 |
電子システム工学科 | 15 | 15 | 1.00倍 |
情報工学科 | 37 | 20 | 1.85倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 22 | 22 | 1.00倍 |
電気情報工学科 | 48 | 22 | 2.18倍 |
機械電子工学科 | 18 | 29 | 0.62倍 |
建設環境工学科 | 22 | 22 | 1.00倍 |
通信ネットワーク工学科 | 16 | 28 | 0.57倍 |
電子システム工学科 | 24 | 27 | 0.89倍 |
情報工学科 | 48 | 22 | 2.18倍 |
山口県(定員1人あたり33.58人)
山口県にある徳山高専、宇部高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
【徳山高専】
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械電気工学科 | 23 | 20 | 1.15倍 |
情報電子工学科 | 33 | 20 | 1.65倍 |
土木建築工学科 | 46 | 21 | 2.30倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
機械電気工学科 | 55 | 20 | 2.75倍 |
情報電子工学科 | 80 | 20 | 4.00倍 |
土木建築工学科 | 80 | 19 | 4.21倍 |
【宇部高専】
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
機械工学科 | 69 | 42 | 1.64倍 |
電気工学科 | 88 | 43 | 2.04倍 |
制御情報工学科 | 79 | 42 | 1.88倍 |
物質工学科 | 93 | 43 | 2.16倍 |
経営情報学科 | 57 | 43 | 1.33倍 |
徳島県(定員1人あたり34.45人)
徳島県にある阿南高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
創造技術工学科(機械) | 18 | ||
創造技術工学科(電気) | 18 | ||
創造技術工学科(情報) | 19 | ||
創造技術工学科(建設) | 12 | ||
創造技術工学科(化学) | 13 | ||
創造技術工学科(共通) | 20 |
福井県(定員1人あたり34.67人)
福井県にある福井高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 19 | 27 | 0.70倍 |
電気電子工学科 | 32 | 29 | 1.10倍 |
電子情報工学科 | 48 | 29 | 1.66倍 |
物質工学科 | 26 | 29 | 0.90倍 |
環境都市工学科 | 39 | 29 | 1.34倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 27 | 14 | 1.93倍 |
電気電子工学科 | 12 | 12 | 1.00倍 |
電子情報工学科 | 32 | 12 | 2.67倍 |
物質工学科 | 10 | 12 | 0.83倍 |
環境都市工学科 | 19 | 12 | 1.58倍 |
富山県(定員1人あたり42.35人)
富山県にある富山高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです(商船学科を除く)。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械システム工学科 | 20 | 20 | 1.00倍 |
電気制御システム工学科 | 29 | 21 | 1.38倍 |
物質化学工学科 | 41 | 23 | 1.78倍 |
電子情報工学科 | 34 | 20 | 1.70倍 |
国際ビジネス学科 | 73 | 22 | 3.32倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械システム工学科 | 38 | 23 | 1.65倍 |
電気制御システム工学科 | 39 | 21 | 1.86倍 |
物質化学工学科 | 50 | 19 | 2.63倍 |
電子情報工学科 | 50 | 21 | 2.38倍 |
国際ビジネス学科 | 69 | 22 | 3.14倍 |
和歌山県(定員1人あたり44.11人)
和歌山県にある和歌山高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
知能機械工学科 | 29 | 14 | 2.07倍 |
電気情報工学科 | 27 | 14 | 1.93倍 |
生物応用化学科 | 34 | 14 | 2.43倍 |
環境都市工学科 | 28 | 14 | 2.00倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
知能機械工学科 | 45 | 18 | 2.50倍 |
電気情報工学科 | 38 | 18 | 2.11倍 |
生物応用化学科 | 34 | 18 | 1.89倍 |
環境都市工学科 | 39 | 18 | 2.17倍 |
(体験実習入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
知能機械工学科 | 33 | 8 | 4.13倍 |
電気情報工学科 | 28 | 8 | 3.50倍 |
生物応用化学科 | 22 | 8 | 2.75倍 |
環境都市工学科 | 24 | 8 | 3.00倍 |
秋田県(定員1人あたり44.66人)
秋田県にある秋田高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
創造システム工学科 | 113 | 89 | 1.27倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
創造システム工学科 | 100 | 81 | 1.23倍 |
石川県(定員1人あたり50.09人)
石川県にある石川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者 | ②合格者(推薦) | ②合格者(一般) | ①/② | |
---|---|---|---|---|
機械工学科 | 63 | 17 | 25 | 1.50倍 |
電気工学科 | 62 | 17 | 25 | 1.48倍 |
電子情報工学科 | 67 | 17 | 26 | 1.56倍 |
環境都市工学科 | 73 | 18 | 24 | 1.74倍 |
建築学科 | 71 | 17 | 25 | 1.69倍 |
奈良県(定員1人あたり51.57人)
奈良県にある奈良高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 43 | 43 | 1.00倍 |
電気工学科 | 40 | 42 | 0.95倍 |
電子制御工学科 | 41 | 42 | 0.98倍 |
情報工学科 | 71 | 41 | 1.73倍 |
物質化学工学科 | 66 | 42 | 1.57倍 |
愛媛県(定員1人あたり53.80人)
愛媛県にある新居浜高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者(推薦) | ①出願者(一般) | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|---|
機械工学科 | 18 | 26 | 40 | 1.10倍 |
電気情報工学科 | 17 | 29 | 42 | 1.10倍 |
電子制御工学科 | 38 | 26 | 41 | 1.56倍 |
生物応用化学科 | 34 | 29 | 44 | 1.43倍 |
環境材料工学科 | 23 | 26 | 42 | 1.17倍 |
北海道(定員1人あたり54.45人)
北海道にある函館高専、苫小牧高専、釧路高専、旭川高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
【函館高専】
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
生産システム工学科 | 56 | 56 | 1.00倍 |
物質環境工学科 | 21 | 21 | 1.00倍 |
社会基盤工学科 | 6 | 6 | 1.00倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
生産システム工学科 | 139 | 103 | 1.35倍 |
物質環境工学科 | 36 | 34 | 1.06倍 |
社会基盤工学科 | 35 | 31 | 1.13倍 |
【苫小牧高専】
①出願者(推薦) | ①出願者(一般) | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|---|
創造工学科 | 95 | 270 | 330 | 1.11倍 |
【釧路高専】
①出願者(推薦) | ①出願者(一般) | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|---|
創造工学科 | 61 | 203 | 204 | 1.29倍 |
【旭川高専】
①出願者(推薦) | ①出願者(一般) | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|---|
機械システム工学科 | 29 | 24 | 47 | 1.13倍 |
電気情報工学科 | 24 | 42 | 64 | 1.03倍 |
システム制御情報工学科 | 28 | 51 | 74 | 1.07倍 |
物質化学工学科 | 27 | 62 | 75 | 1.19倍 |
山形県(定員1人あたり55.55人)
山形県にある鶴岡高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
創造工学科 | 163 | 159 | 1.03倍 |
大分県(定員1人あたり59.11人)
大分県にある大分高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 68 | 41 | 1.66倍 |
電気電子工学科 | 79 | 41 | 1.93倍 |
情報工学科 | 69 | 40 | 1.73倍 |
都市・環境工学科 | 78 | 41 | 1.90倍 |
青森県(定員1人あたり59.71人)
青森県にある八戸高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
①出願者(推薦) | ①出願者(一般) | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|---|
産業システム工学科 機械・医工学コース | 22 | 39 | 61 | 1.00倍 |
産業システム工学科 電気情報工学コース | 37 | 62 | 66 | 1.50倍 |
産業システム工学科 マテリアル・バイオ工学コース | 29 | 46 | 67 | 1.12倍 |
産業システム工学科 環境都市・建築デザインコース | 37 | 45 | 59 | 1.39倍 |
宮崎県(定員1人あたり59.71人)
宮崎県にある都城高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 33 | 20 | 1.65倍 |
電気情報工学科 | 33 | 20 | 1.65倍 |
物質工学科 | 40 | 20 | 2.00倍 |
建築学科 | 34 | 20 | 1.70倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 32 | 21 | 1.52倍 |
電気情報工学科 | 45 | 20 | 2.25倍 |
物質工学科 | 26 | 21 | 1.24倍 |
建築学科 | 24 | 21 | 1.14倍 |
岩手県(定員1人あたり61.22人)
岩手県にある一関高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
未来創造工学科 | 134 |
熊本県(定員1人あたり66.15人)
熊本県にある熊本高専の定員と出願者、合格者は以下のとおりです。
(推薦入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
情報通信エレクトロニクス学科 | 46 | 16 | 2.88倍 |
制御情報システム工学科 | 33 | 16 | 2.06倍 |
人間情報システム工学科 | 35 | 16 | 2.19倍 |
機械知能システム工学科 | 26 | 16 | 1.63倍 |
建築社会デザイン工学科 | 20 | 16 | 1.25倍 |
生物化学システム工学科 | 41 | 16 | 2.56倍 |
(一般入試)
①出願者 | ②合格者 | ①/② | |
---|---|---|---|
情報通信エレクトロニクス学科 | 85 | 27 | 3.15倍 |
制御情報システム工学科 | 40 | 27 | 1.48倍 |
人間情報システム工学科 | 43 | 28 | 1.54倍 |
機械知能システム工学科 | 44 | 27 | 1.63倍 |
建築社会デザイン工学科 | 29 | 27 | 1.07倍 |
生物化学システム工学科 | 60 | 27 | 2.22倍 |
定員に占める中学生の数は無関係?
ここまで、高専の定員1人あたりに対する中学3年生の人数が少ない上位20の道と県について令和4年度の入試における倍率を確認してきました。
定員に対する中学生の数が少ないのであれば、その分競争率も低くなり、高専に入りやすくなるのではないかと予想していましたが、実際はそのような傾向はなさそうです。
高専以外の進学先の人気、あるいは高専の学校や学科の人気にも倍率は左右されるため、中学生の数が少ないからといって、競争が抑えられるというわけではありません。
今回は、中学生が少ない上位20の道県をご紹介しました。
次回は中学生の数が多く、競争が激しそうな県にある高専の入試における倍率をご紹介します。
コメント