5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
仙台高専の概要
仙台高専の校舎は、広瀬キャンパスと名取キャンパスの2つに分かれています。
総合工学科だけが設置されていますが、令和6年度入学者までは各キャンパスにあわせて8つのコースのいずれかに属しています。
広瀬キャンパスには情報システムコース、情報通信コース、知能エレクトロニクスコースの3コースがあります。
また名取キャンパスには、ロボティクスコース、マテリアル環境コース、機械・エネルギーコース、建築デザインコースの4コースがあります。
さらにキャンパスに関係なく、4年生から所属できる応用科学コースもあります。
令和7年度以降の入学者は9つのコースになっており、コースの設計が若干異なる点に注意してください。
広瀬キャンパス
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 66 | 34 | 5 | 105 |

| 仙台高専専攻科 | 20 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 9 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 3 |
| その他の国立大学 | 1 |
| 公立大学 | 0 |
| 私立大学 | 1 |
| その他 | 0 |
就職と進学では、就職者の人数が進学者の約2倍となっています。
就職先の地域としては、4分の3にあたる49名が関東地区となっており、東北地区は9名となっていました。
進学先としては半分以上の20名が仙台高専専攻科、豊橋技術科学大学が7名、東北大学と長岡技術科学大学が2名となっています。
名取キャンパス
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 83 | 64 | 7 | 154 |

| 仙台高専専攻科 | 37 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 7 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 7 |
| その他の国立大学 | 8 |
| 公立大学 | 1 |
| 私立大学 | 4 |
| その他 | 0 |
広瀬キャンパスより就職者の割合が低くなっていますが、それでも就職者の方が進学者より多くなっています。
就職者のうち関東地区に就職したのは63名で、広瀬キャンパスと同じくその割合は約4分の3となっています。
進学先で最も多いのは仙台高専専攻科の37名で、進学者の約6割を占めています。
このほか豊橋技術科学大学が6名、東北大学が5名、早稲田大学が3名となっています。
まとめ
仙台高専は2つのキャンパスに分かれており、それぞれが別の学校のように存在しています。
ただ、卒業後の進路についてはいずれのキャンパスも就職者が多く、就職先としては関東地区が大多数となっています。
また進学先としては仙台高専専攻科が半数以上となっており、そのほか豊橋技術科学大学や東北大学が多いという共通点もあります。



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