5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
秋田高専の概要
秋田高専は創造システム工学科の1学科のみが設置されています。
創造システム工学科内では、機械系、電気・電子・情報系、物質・生物系、土木・建築系の4つの系に分けられており、それぞれの系ごとに進路が公表されています。
また進学先については、学科全体の人数が公表されています。
機械系
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 29 | 12 | 0 | 41 |

就職者の人数は就職の2倍以上となっています。
就職者の29名のうち県内に就職したのは3名、進学者12名のうち県内に進学したのは8名であり、県内進学者8名はいずれも秋田高専専攻科となっています。
電気・電子・情報系
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 23 | 8 | 1 | 32 |

就職者は進学者の3倍近くとなっており、就職の方がかなり多くなっています。
就職者の中で県内に就職したのは3名、進学者の中で県内に進学したのは5名となっています。
物質・生物系
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 16 | 17 | 1 | 34 |

物質・生物系は、秋田高専の中では唯一、進学者の方が就職者より多くなっています。
県内への就職者は16名中2名、県内への進学者は17名中6名でした。
土木・建築系
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 38 | 11 | 0 | 49 |

秋田高専の4つの系の中では、最も就職者の割合が高くなっています。
なお、就職者38名のうち県内に就職したのは3名、進学者11名のうち県内に進学したのは4名でした。
創造システム工学科
| 秋田高専専攻科 | 17 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 13 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 1 |
| その他の国立大学 | 14 |
| 公立大学 | 1 |
| 私立大学 | 1 |
| その他 | 0 |
進学先として最も多いのは秋田高専専攻科で、全体の3割以上となる17名でした。
秋田県内の進学先としてはほかに秋田大学が5名、秋田県立大学が1名でした。
まとめ
秋田高専の卒業生の進路のデータで興味深いのが、年度当初の進路希望を公表していることです。
当初の進路希望では就職希望が100名、進学希望が47名でしたので、ほぼ希望どおりの進路を選択しているといえそうです。
県内就職・県内進学の希望者数も公表されていますが、当初の希望よりは県内に進んだ学生の数は多くなっています。



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