5年の課程を終えて高専を卒業すると、就職するか進学するか、あるいはそれ以外の選択をするのか、いずれにしても大きな決断をしなければなりません。
高専の卒業生は、優秀な人が進学し、進学が難しい人が就職するというわけではありません。
それぞれの学生が自身の目標を定め、そのためには就職した方がいいのか、あるいは進学した方がいいのかを考え、その目標に向かった結果、進路はバラバラになるのです。
ただし、学校や学科によっては進路の傾向がはっきりしていることもあるので、学校ごと、あるいは学科ごとの進路を確認していきます。
なお、ここでは原則として、令和6年度(令和7年3月)卒業生の進路として各学校が公表しているデータをもとにしています。
福島高専の概要
福島高専は機械システム工学科、電気電子システム工学科、化学・バイオ工学科、都市システム工学科、ビジネスコミュニケーション学科の5学科を有しています。
就職と進学の別は学科ごとに公表されていますが、進学先については5つの学科の合計人数として公表されています。
機械システム工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 19 | 14 | 2 | 35 |

就職者の方が進学者より多くなっているのが分かります。
福島高専の5つの学科の中では、最も就職者の割合が高くなっています。
電気電子システム工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 19 | 20 | 2 | 41 |

電気電子システム工学科では、就職と進学の人数はほぼ同数となっています。
化学・バイオ工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 20 | 17 | 1 | 38 |

化学・バイオ工学科では、就職の方が進学よりわずかに多くなっています。
都市システム工学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 18 | 21 | 1 | 40 |

都市システム工学科では、進学者の割合が全体の50%を超えています。
ビジネスコミュニケーション学科
| 就職 | 進学 | その他 | 合計 |
| 13 | 19 | 2 | 34 |

就職より進学の方がかなり多くなっています。
福島高専の5つの学科の中では、就職者の割合が最も高くなっています。
福島高専
| 福島高専専攻科 | 20 |
| 長岡・豊橋技術科学大学 | 22 |
| 旧帝大・東京科学大学・神戸大学 | 6 |
| その他の国立大学 | 33 |
| 公立大学 | 1 |
| 私立大学 | 11 |
| その他 | 0 |
福島高専全体の進学先としては、福島高専専攻科が20名、次いで長岡技術科学大学が14名、豊橋技術科学大学が8名、宇都宮大学が6名となっています。
ちなみに地元の福島大学は2名となっており、あまり多くない印象ですが、年度によっては増える年もあるようです。
※学校公表の数字をもとにしていますが、学科別の進学者数とは誤差がある点はご了承ください。
まとめ
福島高専全体としては、就職者数と進学者数はほぼ同数となっており、令和6年度に関しては進学者数の方がわずかに多くなっています。
学科によって就職と進学の傾向に若干の差があり、ビジネスコミュニケーション学科の進学者の割合が最も高くなっています。
進学者のうち福島高専専攻科への進学者の占める割合は2割程度で、そのほかには長岡技術科学大学への進学者が多くなっています。



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