高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 |
機械工学科 | 40名 | 入学定員の50%程度 |
電気情報工学科 | 40名 | |
都市システム工学科 | 40名 | |
建築学科 | 40名 |
明石高専には4つの学科が設置されており、学科ごとに学生の募集が行われます。
1学科あたりの入学定員は40名であり、あわせて160名の募集が行われます。
また、推薦選抜による募集人員は50%程度とされており、およそ80名が推薦選抜により入学する計算になります。
推薦入学者選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
推薦による募集人員 | 学科ごとに50%程度(1学科あたりおよそ20名、あわせて80名) |
出願資格(成績等) | 評定などの基準は設けられていません |
選抜方法 | 調査書・特別活動等・グループワークを総合する(合計440点満点) ⑴調査書(350点) ①数学、理科、技術・家庭、英語 5段階×2=40点 ②国語、社会 5段階×1.5=15点 ③音楽、美術、保健体育 5段階=15点 1年生・2年生は①+②+③=70点 3年生は(①+②+③)×3=210点 あわせて350点満点 ⑵特別活動等(45点) 評価項目は①生徒会活動、学級活動、②課外活動、③検定、④その他(社会貢献、ボランティア等) ⑶グループワーク(45点) 令和8年1月17日に実施 |
明石高専の推薦選抜では、調査書の評定に基づいた出願資格の基準が設けられていません。
そのため、調査書の点数が若干低くても出願することはできます。
しかし、選抜方法を見れば分かるように、合否の判定では調査書の点数が大きくものをいいます。
なお、調査書は3年生だけでなく1年生や2年生の点数も評価に使われますし、教科ごとに配点が変わります。
そのため、特に理数系科目や英語が苦手な人には厳しい内容となっています。
日程
出願期間 | 令和7年12月15日〜令和8年1月9日 |
出願書類提出期間 | 令和8年1月5日〜令和8年1月9日16時(必着) |
検査日 | 令和8年1月17日 |
選抜結果通知 | 令和8年1月21日 |
オリエンテーション | 令和8年3月12日 |
合格通知を受けた人は、入学確約書を郵送することとされています。
所定の期日までにとされていますが、募集要項にはその期日は書かれていませんでした。
一般入学者選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力選抜による募集人員 | 学科ごとに50%程度(1学科あたりおよそ20名、あわせて80名) |
出願の方式 | 第3志望まで出願可 推薦選抜の志望学科と学力選抜の第1志望の学科を別にすることができる |
学力検査点の配点 | 英語、数学各150点 理科、国語、社会各100点の600点満点 |
調査書点の計算方法 | 1~3年生までの各学年の9教科5段階評価の合計を用いる 1年生、2年生は1.2倍してそれぞれ54点満点 3年生は3.6倍して162点満点 1~3年生の合計で270点満点 |
選抜方法 | 5教科の学力検査の成績(600点満点)、調査書(270点満点)の合計(870点満点)で判定 |
明石高専の学力選抜では、学力検査で英語と数学の配点が1.5倍と高くなっています。
また調査書については、1年生や2年生の調査書の点数も合否の判定に用いる点に特徴があります。
ただ、調査書の点数は3年生の配点が1年生や2年生の3倍になっており、3年生の点数が最も重要であることが分かります。
日程
出願期間 | 令和7年12月15日〜令和8年1月28日 |
出願書類提出期間 | 令和8年1月5日〜令和8年1月9日16時(必着)令和8年1月23日~令和8年1月28日16時(必着) |
学力検査 | 令和8年2月8日 |
合格者発表 | 令和8年2月12日 |
オリエンテーション | 令和8年3月12日 |
提携高専による追選考制度
提携する高専で入学定員に欠員が生じた学科がある場合に、明石高専の学力検査選抜で合格にならなかった者を対象として追選考が行われます。
提携高専
明石高専の提携高専は、以下の3校です。
- 舞鶴工業高等専門学校
- 奈良工業高等専門学校
- 和歌山工業高等専門学校
追選考の申し込み手続き
提携高専において追選考を希望する場合は、別途申し込み手続きが必要になります。
なお、複数の学校で追選考が実施される場合でも、申し込みできるのは1校のみとなります。
明石高専を受験した人の場合、追選考によって入学できる可能性があるのは、提携高専となっている舞鶴、奈良、和歌山の各高専なので、それらの学校の情報に気を配るようにしましょう。
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
令和5年度入試
入学定員 | 志願者数 (うち推薦) | 合格者数 (うち推薦) | 倍率 | 学力検査合格者最低点 (600点満点) | |
機械工学科 | 40 | 54(49) | 40(21) | 1.4 | 474.5 |
電気情報工学科 | 40 | 86(65) | 42(21) | 2.2 | 482.5 |
都市システム工学科 | 40 | 55(43) | 43(21) | 1.4 | 437.5 |
建築学科 | 40 | 58(49) | 42(21) | 1.5 | 450.0 |
令和6年度入試
入学定員 | 志願者数 (うち推薦) | 合格者数 (うち推薦) | 倍率 | 学力検査合格者最低点 (600点満点) | |
機械工学科 | 40 | 34(30) | 41(20) | 0.9 | 473.5 |
電気情報工学科 | 40 | 91(69) | 41(21) | 2.3 | 496.5 |
都市システム工学科 | 40 | 31(26) | 42(18) | 0.8 | 402.0 |
建築学科 | 40 | 54(49) | 41(21) | 1.4 | 447.5 |
令和7年度入試
入学定員 | 志願者数 (うち推薦) | 合格者数 (うち推薦) | 倍率 | 学力検査合格者最低点 (600点満点) | |
機械工学科 | 40 | 46(40) | 40(21) | 1.2 | 445.5 |
電気情報工学科 | 40 | 60(52) | 40(21) | 1.5 | 495.0 |
都市システム工学科 | 40 | 45(38) | 40(20) | 1.1 | 450.5 |
建築学科 | 40 | 61(51) | 41(21) | 1.5 | 453.0 |
過去3年分の結果をみると、学科によって志願者の人数に大きな違いがあるとわかります。
機械工学科や都市システム工学科は志願者が少なく、逆に電気情報工学科は志願者が特に多くなっている傾向があります。
学力検査の合格者最低点をみても、電気情報工学科は毎年最高であるばかりか、2番目に高い学科よりはるかに高い点数となっているので、非常に高いレベルでの争いとなっているのが分かります。
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