国公立高専の一般入試の比較 ①学科試験と調査書・内申点の配点

高専の入試

国立高専の令和6年度入学生の学力検査は、すべての学校において令和6年2月11日(日)に実施されます。
試験の日程がすべて一律に決められているだけでなく、試験問題は独立行政法人国立高等専門学校機構が作成するものが使われますし、時間割や実施時間もすべて統一されています。
それでは学校ごとの違いはないかというと、試験問題などは同一でも、その配点や試験の実施科目などには違いがあります。
基本的には自宅から近い高専を受験する方が多いでしょうが、試験内容を把握したうえで受験する学校を選ぶこともできますので、参考にしてください。

学科試験と調査書・内申点の得点の比率は学校により異なる

国立高専の一般入試では、おもに「学科試験」と「調査書・内申点」の2つで合否判定が行われます。
推薦選抜については、多くの学校で学科試験は実施されず、調査書・内申点と面接により合否が決められます。
推薦選抜とは違う視点から学生を募集するため、一般入試では学科試験が重視される傾向がありますが、それでも学校によって学科試験と調査書・内申点の比率には違いがあります。
そこで、学科試験と調査書・内申点の比率を学校別にご紹介していきます。

学科試験の比率が85%以上の学校

学科試験の比率が最も高いのは、鈴鹿高専です。
全国の高専の中で唯一、学科試験の配点が全体の85%を超えます。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
鈴鹿高専65010086.7%

学科試験の比率が80%〜85%の学校

学科試験の比率が80%〜85%となっているのは、茨城高専、群馬高専、和歌山高専、久留米高専、北九州高専、熊本高専、鹿児島高専の7校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
茨城高専60015080.0%
群馬高専63012583.4%
和歌山高専40010080.0%
久留米高専60013581.6%
北九州高専57013580.9%
熊本高専60013581.6%
鹿児島高専5009084.7%

学科試験の比率が75%〜80%の学校

学科試験の比率が75%〜80%となっているのは、函館高専、苫小牧高専、釧路高専、旭川高専、沼津高専の5校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
函館高専80021079.2%
苫小牧高専80021079.2%
釧路高専80021079.2%
旭川高専80021079.2%
沼津高専60016078.9%

学科試験の比率が70%〜75%の学校

学科試験の比率が70%〜75%となっているのは、一関高専、東京高専、富山高専の3校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
一関高専50018073.5%
東京高専703070.0%
富山高専50020071.4%

学科試験の比率が65%〜70%の学校

学科試験の比率が65%〜70%となっているのは、長岡高専、豊田高専、明石高専、奈良高専、津山高専、神戸市立高専の6校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
長岡高専80040066.7%
豊田高専50022069.4%
明石高専60027069.0%
奈良高専50024067.6%
津山高専70033068.0%
神戸市立高専45022566.7%

学科試験の比率が60%〜65%の学校

学科試験の比率が60%〜65%となっているのは、福島高専、舞鶴高専、米子高専、香川高専の4校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
福島高専50028064.1%
舞鶴高専60040060.0%
米子高専50027064.9%
香川高専50027064.9%

学科試験の比率が55%〜60%の学校

学科試験の比率が55%〜60%となっているのは、岐阜高専、松江高専、呉高専、宇部高専、沖縄高専、大阪公立大学高専の6校です。

学校名学科試験調査書・内申点学科試験の比率
岐阜高専40027059.7%
松江高専49033559.4%
呉高専50040555.2%
宇部高専50036058.1%
沖縄高専70049558.6%
大阪公立大学高専65045059.1%

学科試験の比率が不明な学校

学科試験と調査書・内申点の配点がともに公表されていない学校と、調査書・内申点の点数が公表されていない学校があります。

学科試験と調査書・内申点の配点がともに公表されていない学校

  • 鶴岡高専
  • 小山高専
  • 木更津高専
  • 福井高専
  • 高知高専
  • 有明高専

調査書・内申点の配点が公表されていない学校

  • 八戸高専
  • 仙台高専
  • 秋田高専
  • 石川高専
  • 徳山高専
  • 阿南高専
  • 新居浜高専
  • 佐世保高専
  • 大分高専
  • 都城高専

このほか、長野高専は、学科試験、調査書・内申点ともに科目ごとの配点は公表されていますが、学科試験と調査書・内申点の比率は不明です。
また東京都立産業技術高専は、募集要項がオンラインでは公表されておらず、自身で入手しなければなりません。

調査書・内申点を加味しない枠を設けている学校

ここまで学科試験と調査書・内申点の比率について解説してきました。

一般入試では、学科試験が重視される傾向にありますが、調査書・内申点も合否判定には含まれるのが一般的です。

しかし、学科試験で優秀な点をとっても、調査書・内申点の点数が低ければ、不合格になる可能性はあります。

そこで、学科試験の出来が特に良い人について、調査書・内申点を一切考慮せずに合格にする学校があります。

豊田高専と沖縄高専がこのような選抜枠を設けています。

豊田高専

同一学科を第一志望とした受験生の中で、学力検査の成績が上位4名以内に入る者は、当該学科の合格者となります。

沖縄高専

学力検査の順位が受験者の上位30位以内の場合、学力検査の得点のみで合否判定を行います。

豊田高専の場合は学科ごと、沖縄高専の場合は学校全体で上位になるかの判定を行っている点に違いがあります。
また、豊田高専の場合は5つの学科についてそれぞれ4名であるため合計20名、沖縄高専の場合は合計30名という違いもあります。

試験を受ける前に配点の特徴を知っておこう

学科試験と調査書・内申点の配点の違いがあるため、受験する学校によっては、受かりやすい・受かりにくいという違いが生まれます。

高い内申点を持っているのであれば、学科試験の比率が低い学校を受験する方が、有利になる可能性があります。

最終的にどの学校を受験するのかを決める際には、配点の違いにも注目するといいでしょう。

ただ、配点の違いによる有利・不利は、あくまで他の学校との比較に過ぎません。

どの学校も学科試験の得点が高いウエイトを占めることに変わりはないため、学科試験で良い結果が出せるよう、日々努力していきましょう。

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