高専の本科5年の課程を終えると、大学に編入学する人と就職する人に分かれます。
進学する人のおおまかな進路についてはすでにご紹介しましたが、就職に関しては詳しく触れていませんでした。
そこで、本科を卒業した学生の就職に関するデータを学校ごとにご紹介していきます。
概要
今回ご紹介するのは、令和6(2024)年3月に卒業した学生の進路です。
できる限り学科やコース別に、実際の就職者数や求人数をご紹介していきます。
また就職先の地域については、学校が公表しているデータのとおりとしています。
多くは会社の本社がある地域で区分されていると思われますが、実際に就労する地域とは一致しない場合があるかもしれません。
茨城高専
国際創造工学科 | 卒業者数 | 就職者数 | 求人数または求人企業数 | 求人倍率 | 地元都道府県外への就職者数 |
---|---|---|---|---|---|
機械・制御系 | 67 | 25 | 734 | 29.36 | |
電気・電子系 | 29 | 15 | 776 | 51.73 | |
情報系 | 39 | 12 | 622 | 51.83 | |
化学・生物・環境系 | 35 | 8 | 476 | 59.50 |
電気・電子系は就職者数が若干多くなっていますが、それ以外はいずれも就職者数より進学者数が大幅に多くなっています。
また、求人数はいずれの系も多くあり、求人倍率が最も高い系では60倍近くになっています。
小山高専
卒業者数 | 就職者数 | 求人数または求人企業数 | 求人倍率 | 地元都道府県外への就職者数 | |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 42 | 20 | 664 | 33.20 | |
電気電子創造工学科 | 70 | 39 | 733 | 18.79 | |
物質工学科 | 36 | 11 | 411 | 37.36 | |
建築学科 | 42 | 16 | 532 | 33.25 |
電気電子創造工学科は、就職者数の方が進学者数より少し多くなっています。
それ以外の学科はいずれも、進学者数が就職者数の2倍ほどとなっており、進学する学生の方が多くなっています。
一方、就職を希望する学生にとっても、多くの求人の中から就職先を選ぶことができます。
群馬高専
卒業者数 | 就職者数 | 求人数または求人企業数 | 求人倍率 | 地元都道府県外への就職者数 | |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 35 | 10 | 564 | 56.40 | |
電子メディア工学科 | 35 | 14 | 579 | 41.36 | |
電子情報工学科 | 45 | 18 | 568 | 31.56 | |
物質工学科 | 39 | 7 | 402 | 57.43 | |
環境都市工学科 | 35 | 14 | 444 | 31.71 |
すべての学科で、就職者数の方が進学者数の方が多くなっています。
また求人数もすべての学科で400人以上となっており、求人倍率は最低でも30倍を超えています。
木更津高専
卒業者数 | 就職者数 | 求人数または求人企業数 | 求人倍率 | 地元都道府県外への就職者数 | |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 45 | 28 | |||
電気電子工学科 | 33 | 16 | |||
電子制御工学科 | 38 | 9 | |||
情報工学科 | 36 | 11 | |||
環境都市工学科 | 41 | 32 |
就職者数の方が多い学科と進学者数の方が多い学科に分かれており、就職が8割程度になっている環境都市工学科が特徴的です。
求人数などのデータは公表されていませんが、令和5年度の求人倍率は約14.8倍とされています。
東京高専
卒業者数 | 就職者数 | 求人数または求人企業数 | 求人倍率 | 地元都道府県外への就職者数 | |
---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 40 | 11 | 481 | 43.73 | |
電気工学科 | 43 | 32 | 473 | 14.78 | |
電子工学科 | 30 | 19 | 457 | 24.05 | |
情報工学科 | 41 | 29 | 419 | 14.45 | |
物質工学科 | 32 | 17 | 310 | 18.24 |
機械工学科以外の各学科では、進学者数より就職者数の方が多くなっています。
電気工学科や情報工学科などは、就職者数の割合が7割を超えています。
就職者数が多くなっていますが、いずれの学科も求人倍率は10倍を大きく上回っています。
関東地方の高専の特徴
関東地方の高専では、地元への就職人数を公表している学校は1つもありませんでした。
これは、もともと関東地方では地元での就職率が高いからということが考えられます。
ただ、広い意味では関東地方が地元であっても、地元の県に残るような就職をする人は決して多くなく、実際には東京や横浜などの年に出ていく人が多いのではないかと推測されます。
コメント