全国の高専を知ろう ~東京高専~

高専とは

全国の国立の工業高専を各学校ごとに紹介しています。
今回ご紹介するのは、東京都にある東京高専です。

基本情報

学校名東京工業高等専門学校
所在地東京都八王子市椚田町1220-2
ホームページhttps://www.tokyo-ct.ac.jp/
設立年度1965(昭和40)年4月1日
設置学科機械工学科電気工学科電子工学科情報工学科物質工学科
本科定員1学年あたり200人
設置専攻科機械情報システム工学専攻電気電子工学専攻物質工学専攻
専攻科定員1学年あたり20人
東京高専の基本情報(東京高専学校案内令和6年度より)

沿革

東京高専は、東京都八王子市に1965(昭和40)年4月に設置された、国立の工業高等専門学校です。
設立時期でいうと東京高専は4期校にあたり、東京都内に国立高専が設置されたのはかなり遅い方でした。
ちなみに、東京都立の高専は国立の東京高専より早く1962(昭和37)年に、1期校と同じ時期に設置されています。

東京高専の開校当初は機械工学科、電気工学科、工業化学科の3学科が設置されました。
その後、1970(昭和45)年には電子工学科が、1988(昭和63)年には情報工学科が設置されました。
さらに1993(平成5)年には工業化学科が物質工学科に改組され、現在に至っています。

八王子市はどんなところ?

八王子市は東京都の西部に位置してます。
東京都内では、23区を除く自治体の中では最大の人口を有しており、2020年10月1日時点では約58万人の人口となっています。
八王子市は東京都に属していますが、八王子市からは神奈川県や埼玉県、山梨県にも非常に行きやすくなっています。
特に高専に通う学生は電車通学となることが多いので、鉄道網が発達している八王子市にある高専には、東京都内だけでなく近県からも通いやすい環境となっています。

また八王子市は、東京都内にありながら豊かな自然にも恵まれています。
そのため、多くの大学が八王子市内にキャンパスを構えており、八王子市ホームページによれば、その数は21に及ぶそうです。
大学が多いので、街の中には若い学生の数も多く、活気あふれる魅力ある都市といえるでしょう。

東京高専の最寄り駅は京王線狭間駅であり、新宿駅から最短50分程度で行くことができます。
また京王線狭間駅へ神奈川県の相模原駅からは35分程度、山梨県の大月駅からは50分程度、埼玉県の東飯能駅や西武線所沢駅からは1時間程度で行くことができ、いずれも通学圏内になっています。

学生情報

学生数(男女別)

東京高専学校案内令和6年度によれば、学生の人数や男女比は以下のようになっています。

1年
男子女子合計
機械工学科37643
電気工学科41546
電子工学科34741
情報工学科37845
物質工学科202141
2年3年
男子女子合計男子女子合計
機械工学科38644411152
電気工学科34104434842
電子工学科25631261137
情報工学科3874539948
物質工学科301747261541
4年5年
男子女子合計男子女子合計
機械工学科2953435540
電気工学科3394232840
電子工学科2252733740
情報工学科3073741041
物質工学科291342221234

学科によって男女比の傾向には大きな違いがあります。
物質工学科は女子の比率が高く、どの学年も女子の人数が一番多い学科となっています。
ほかの学科の中では、情報工学科の女子比率が一番低いという結果になっています。

学生出身地

東京高専学校案内令和6年度によれば、編入学を含む本科入学生209人のうち東京都出身者は93人(44.5%)、神奈川県出身者は55人(26.3%)などとなっています。

出身地人数割合
東京都9344.5%
神奈川県5526.3%
埼玉県3315.8%
山梨県31.4%
千葉県83.8%
その他の道府県167.7%
海外留学生10.5%
東京高専 令和6年度本科入学生の出身別学生数

高専に入学してくる学生は、どの学校でも他府県の出身者が一定数います。
県をまたいで通学することが珍しくないこと、そして寮が設けられていることが大きな要因です。
東京高専の場合、東京都に隣接する神奈川県、埼玉県、山梨県に高専がないため、これらの県の出身者が多くなる傾向にあります。
実際、東京都以外の出身者が半数を超えており、他県出身者が特に多いといえます。

入試情報

推薦入試と一般入試

推薦入試の募集人員は、定員の60%程度となっています。
前年度においては、推薦入試の出願基準として「第3学年の9教科の評定値(令和4年12月31日時点の評定値)がそれぞれ5段階評価で合計36以上、かつ数学、理科及び英語の評定値がそれぞれ4以上」という基準が定められていました。
2025(令和7)年4月入学の推薦入試については、まだ詳細は不明ですが、同じような基準が設けられることが予想されます。

内申点の満点45のうち、平均して36以上(つまりオール4以上)が最低限の目標となります。
また、数学、理科、英語については必ず4以上となるよう、苦手科目にしないような努力が必要です。

推薦入試の出願基準第3学年の9教科の評定値(令和4年12月31日時点の評定値)がそれぞれ5段階評価で合計36以上、かつ数学、理科及び英語の評定値がそれぞれ4以上
東京高専の推薦入試の出願基準

一般入試では、数学が28点、理科・英語・国語がそれぞれ14点の配点となっています。
また社会の試験は実施されません。
また調査書は合計で30点となっており、学科試験のウエイトが比較的大きくなっています。

学力試験の科目と配点
理科英語数学国語社会
141428140
東京高専の一般入試(学力試験)
調査書の科目と配点
国語社会数学理科英語技術・家庭音楽美術保健体育
3.63.63.63.63.63333
東京高専の一般入試(調査書)

入学志願者数

東京高専は5つの学科ごとに入学志願者を募集し、入学定員は各学科40人とされています。
ここ5年間の入学志願者倍率は、以下のように推移しています。

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度
機械工学科1.51.41.31.81.8
電気工学科1.51.21.01.11.9
電子工学科2.41.21.01.51.6
情報工学科2.82.83.32.83.1
物質工学科2.11.81.61.81.6
東京高専の入学志願者倍率

ここ数年、一番人気となっているのは情報工学科です。
年によっては、他の学科より倍以上高い倍率になっており、人気の高さが表れています。
このほかの学科は年によって違いがありますが、前年の2024(令和6)年度入試では、いずれも1.6倍以上の高い倍率となりました。

卒業後の進路

一般的に、高専の卒業生の半数は就職、半数は進学するといわれますが、学校によってその比率には違いがあります。
東京高専の場合、令和5年度の卒業生の進路は以下のようになっています。

就職進学その他合計
機械工学科1128140
電気工学科3211043
電子工学科1910130
情報工学科2912041
物質工学科1715032
東京高専 卒業生の進路(令和5年度)

学校全体でみると、就職の方が若干多くなっています。
学科ごとにみると機械工学科は進学者が多く、電気工学科や情報工学科は就職者が多い傾向となっていました。
ちなみに就職希望者は全員が就職しており、希望どおりの進路に進んでいることが分かります。

就職

高専には、毎年多くの企業から求人が寄せられています。
東京高専の令和5年度卒業生に対する求人数は、以下のとおりです。

就職希望者数求人数求人倍率
機械工学科1148143.7
電気工学科3247314.8
電子工学科1945724.1
情報工学科2941914.4
物質工学科1731018.2
東京高専 令和5年度求人数

機械工学科の求人倍率が突出して高いのは、就職希望者数が他の学科より少なかったことも影響しています。
どの学科も非常に多くの求人があり、就職を希望する学生は、多くの求人の中から自分に合った企業を選んで就職することができます。

進学

東京高専の令和5年度卒業生の進学先は、以下のようになっています。

学科進学先
機械工学科長岡技術科学大学
豊橋技術科学大学
岩手大学
福島大学
筑波大学
千葉大学
東京農工大学
東京工業大学
東京海洋大学
大阪大学
広島大学
九州大学
鹿児島大学
東京都市大学
国立障害者リハビリテーションセンター学院
東京高専専攻科
電気工学科長岡技術科学大学
豊橋技術科学大学
三重大学
東京農業大学
東京高専専攻科
電子工学科長岡技術科学大学
豊橋技術科学大学
室蘭工業大学
東京農工大学
岡山大学
駒澤大学
東京高専専攻科
情報工学科豊橋技術科学大学
新潟大学
筑波大学
千葉大学
埼玉大学
Ruhr-Universität Bochum(ドイツ)
横浜公務員&IT会計専門学校
東京高専専攻科
物質工学科長岡技術科学大学
豊橋技術科学大学
千葉大学
東京農工大学
東京工業大学
東京海洋大学
電気通信大学
信州大学
京都工芸繊維大学
奈良女子大学
東京高専専攻科
東京高専 進学先(令和5年度)

進学先の多くは国立大学となっており、進学した76人のうち50人が国立大学に進みました。
進学先の大学は関東地方の大学が多いほか、長岡・豊橋の技術科学大学にもあわせて16人が進学しています。
また東京高専専攻科には全部で21人が進んでおり、こちらも人気の進学先となっています。



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