高専を卒業した学生の進路は、進学と就職に大きく分かれます。
このことは、進学校と呼ばれる高校の場合、ほとんどすべての生徒が進学を目指すのとは大きな違いがあります。
高専を卒業した学生は、どのような進路を選択しているのでしょうか。
そこで学校別・学科別に、卒業生の進学先を確認していきましょう。
今回ご紹介するのは、令和6(2024)年3月に卒業した学生の進路です。
基本的には実際の就職者数・進学者数を、進学先の種類別にまとめています。
ただし一部の学校について、進学者数ではなく大学等の合格者数を公表している学校があるので、そのような学校については重複してカウントされている学生がいることに注意が必要です。
進学先の区分について
ここでご紹介する進学先については、便宜的に以下のように区分しています。
・自校高専
本科を卒業後、そのまま高専の専攻科に進む人数
・他校高専
本科を卒業後、他の高専の専攻科に進む人数
・技術科学大学
長岡・豊橋の2つの技術科学大学に進む人数
・難関10大学
旧帝大(北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州)と東京科学(旧東京工業)、一橋、神戸の10の大学に進む人数(ただし一橋大学に進む人はほとんどいません)
・その他の国立大学
技術科学大学・難関10大学にあげた大学以外の国立大学に進む人数
長岡高専
令和5年度卒業生の就職と進学の人数は以下のとおりです。(就職・進学以外の卒業生もいるので、合計は卒業者数とは一致しないことがあります。以下同)
卒業者数 | 就職 | 進学 | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 37 | 12 | 25 |
電気電子システム工学科 | 46 | 25 | 21 |
電子制御工学科 | 39 | 6 | 33 |
物質工学科 | 43 | 15 | 28 |
環境都市工学科 | 36 | 13 | 22 |
全体的に就職者より進学者の方が多いのですが、電気電子システム工学科のみ就職者の方が多くなっています。
一方、電子制御工学科は8割以上が進学しているなど、全体では6割以上が進学を選択しています。
進学者の進学先の区分については以下のようになっています。(学校公表の資料を参照していますが、人数の合計が一致しないことがあります。以下同)
自校高専 | 他校高専 | 技術科学大学 | 難関10大学 | その他の国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 29 | 0 | 70 | 4 | 22 | 2 | 3 | 0 |
電気電子システム工学科 | ||||||||
電子制御工学科 | ||||||||
物質工学科 | ||||||||
環境都市工学科 |
最も多いのは長岡技術科学大学の68人です。
長岡高専と長岡技術科学大学は隣接しているわけではありませんが、同じ長岡市内にあることから、例年最も多くの学生の進学先となっています。
次に長岡高専専攻科の29人、新潟大学の7人となっています。
長野高専
令和5年度卒業生の就職と進学の人数は以下のとおりです。
卒業者数 | 就職 | 進学 | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 194 | 92 | 95 |
電気電子工学科 | |||
電子制御工学科 | |||
電子情報工学科 | |||
環境都市工学科 |
長野高専の令和5年度卒業生は、学科が以前の5学科に分かれていた時に入学してきた学生です。
ただ、学科ごとの内訳は公表されていないので、全体の人数となります。
就職者と進学者がほぼ半々であることが分かります。
自校高専 | 他校高専 | 技術科学大学 | 難関10大学 | その他の国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 26 | 1 | 33 | 3 | 52 | 0 | 2 | 1 |
電気電子工学科 | ||||||||
電子制御工学科 | ||||||||
電子情報工学科 | ||||||||
環境都市工学科 |
学科ごとの人数は公表されていないので、全体の人数となります。
最も多いのは長野高専専攻科の26人、次に信州大学・豊橋技術科学大学の17人、長岡技術科学大学の16人、新潟大学の5人となっています。
富山高専
令和5年度卒業生の就職と進学の人数は以下のとおりです。
卒業者数 | 就職 | 進学 | |
---|---|---|---|
機械システム工学科 | 33 | 15 | 17 |
電気制御システム工学科 | 40 | 19 | 21 |
物質化学工学科 | 44 | 17 | 26 |
電子情報工学科 | 37 | 14 | 23 |
国際ビジネス学科 | 38 | 14 | 22 |
商船学科 | 39 | 30 | 9 |
商船学科以外の学科では、就職者より進学者の方が多くなっています。
おおむね4割程度が就職、6割程度が進学を選択していることが分かります(商船学科を除く)。
自校高専 | 他校高専 | 技術科学大学 | 難関10大学 | その他の国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機械システム工学科 | 3 | 0 | 5 | 2 | 7 | 0 | 0 | 0 |
電気制御システム工学科 | 10 | 0 | 8 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 |
物質化学工学科 | 8 | 0 | 2 | 5 | 11 | 0 | 0 | 0 |
電子情報工学科 | 10 | 0 | 2 | 2 | 7 | 1 | 1 | 0 |
国際ビジネス学科 | 6 | 0 | 0 | 3 | 11 | 0 | 2 | 0 |
商船学科 | 4 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 |
最も多いのは富山高専専攻科の41人、次に豊橋技術科学大学の12人、金沢大学の11人、長岡技術科学大学・富山大学の5人となっています。
石川高専
令和5年度卒業生の就職と進学の人数は以下のとおりです。
卒業者数 | 就職 | 進学 | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 39 | 22 | 15 |
電気工学科 | 41 | 23 | 17 |
電子情報工学科 | 41 | 22 | 18 |
環境都市工学科 | 42 | 27 | 15 |
建築学科 | 42 | 23 | 17 |
すべての学科で就職者の方が進学者より少しずつ多くなっています。
おおむね6割程度が就職、4割程度が進学を選択していることが分かります。
自校高専 | 他校高専 | 技術科学大学 | 難関10大学 | その他の国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 28 | 0 | 16 | 4 | 27 | 1 | 6 | 0 |
電気工学科 | ||||||||
電子情報工学科 | ||||||||
環境都市工学科 | ||||||||
建築学科 |
最も多いのは石川高専専攻科の28人、次に金沢大学・豊橋技術科学大学の9人、長岡技術科学大学の7人となっています。
福井高専
令和5年度卒業生の就職と進学の人数は以下のとおりです。
卒業者数 | 就職 | 進学 | |
---|---|---|---|
機械工学科 | 35 | 20 | 15 |
電気電子工学科 | 32 | 27 | 5 |
電子情報工学科 | 37 | 22 | 15 |
物質工学科 | 36 | 17 | 19 |
環境都市工学科 | 41 | 19 | 22 |
全体でみると就職者の方が進学者より多くなっています。
ただ、物質工学科と環境都市工学科は進学者の方がわずかに多くなっています。
自校高専 | 他校高専 | 技術科学大学 | 難関10大学 | その他の国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
機械工学科 | 35 | 0 | 15 | 1 | 22 | 0 | 1 | 0 |
電気電子工学科 | ||||||||
電子情報工学科 | ||||||||
物質工学科 | ||||||||
環境都市工学科 |
最も多いのは福井高専専攻科の35人、次に福井大学・豊橋技術科学大学の11人、長岡技術科学大学の4人となっています。
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