高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
| 学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 |
| 機械工学科 | 40名 | 各学科とも6割程度 (あわせて120名程度) |
| 電気工学科 | 40名 | |
| 電子工学科 | 40名 | |
| 情報工学科 | 40名 | |
| 物質工学科 | 40名 |
東京高専には全部で5つの学科が設置されています。
各学科の定員は40名となっており、学科の違いによる定員の差はありません。
推薦入試で選抜される人数は定員の6割程度、学力入試で選抜される人数は定員の4割程度です。
したがって推薦入試で各学科24名程度が入学してくることとなります。
推薦による入学者選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
| 推薦による募集人員 | 各学科とも6割程度(各学科24名程度、あわせて120名程度) |
| 出願資格(成績等) | 中学校第3学年の9教科の評定値が合計36以上、かつ数学、理科、英語の評定値がそれぞれ4以上 |
| 選抜方法 | 第5志望まで出願可 面接30点、内申70点の合計100点満点 (内申点の計算方法) ・数学、理科、英語は重点教科として1.8倍に換算、3教科あわせて27点満点 ・その他の教科は1.3倍に換算、6教科あわせて39点満点 ・資格点として英検準2級以上、数検準2級以上を取得している場合はそれぞれ2点、あわせて4点満点 |
東京高専の推薦選抜の出願資格は、中学3年生の評定を用いることとされています。
基準となる評定値は平均でオール4以上であり、特に数学、理科、英語については、個別に4以上という基準が設けられています。
選抜段階でも数学、理科、英語の配点が高くなるので、これらの教科の評定ができるだけ高くなるように取り組む必要があります。
なお、推薦選抜でも第5志望まで出願できるので、絶対に東京高専に行きたいという場合は、第5志望まで選択するようにしましょう。
日程
| WEB出願受付開始 | 令和7年12月15日 |
| 出願書類受付期間 | 令和7年12月24日〜令和8年1月7日16時(必着) |
| 検査日 | 令和8年1月18日 |
| 合格内定通知送付 | 令和8年1月23日 |
| 入学確約書提出期限 | 令和8年1月30日16時(必着) |
学力検査による入学者選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
| 学力選抜による募集人員 | 各学科とも4割程度(各学科16名程度、あわせて80名程度) |
| 出願の方式 | 第5志望まで出願可 |
| 学力検査点の配点 | 数学の得点×2×0.14(28点満点) 国語、理科、英語の得点の合計×0.14(42点満点) 合計70点満点 |
| 調査書点の計算方法 | 国語、社会、数学、理科、英語の評定の合計値×1.2×0.6(18点満点) 音楽、美術、保健体育、技術・家庭の評定の合計値×0.6(12点満点) 合計30点満点 |
| 選抜方法 | 評価点の上位の者から志望順位の高い学科へ合格を決定する |
東京高専の学力検査選抜では、社会の学力検査を実施せず、国語、数学、理科、英語の4教科で行われます。
また学力検査では、数学の配点が他の3教科の2倍の配点となっています。
一方、調査書では国語、社会、数学、理科、英語の5教科の配点が、他の4教科の配点の1.2倍となっています。
得点の計算方法は独特ですが、それ以上に数学の重要性が高くなっていることに注意しましょう。
日程
| WEB出願受付開始 | 令和8年1月13日 |
| 出願書類受付期間 | 令和8年1月19日〜令和8年1月23日16時(必着) |
| 検査日 | 令和8年2月8日 |
| 合格者発表 | 令和8年2月13日 |
| 入学確約書提出期限 | 令和8年3月2日13時(必着) |
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
本科入学者選抜状況(令和5年度)
| 推薦選抜 | 推薦選抜+学力選抜 | |||
| 志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 倍率 | |
| 機械工学科 | 132 | 120 | 73 | 1.8 |
| 電気工学科 | 45 | 1.1 | ||
| 電子工学科 | 61 | 1.5 | ||
| 情報工学科 | 113 | 2.8 | ||
| 物質工学科 | 59 | 1.5 | ||
本科入学者選抜状況(令和6年度)
| 推薦選抜 | 推薦選抜+学力選抜 | |||
| 志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 倍率 | |
| 機械工学科 | 148 | 120 | 72 | 1.8 |
| 電気工学科 | 76 | 1.9 | ||
| 電子工学科 | 63 | 1.6 | ||
| 情報工学科 | 125 | 3.1 | ||
| 物質工学科 | 65 | 1.6 | ||
本科入学者選抜状況(令和7年度)
| 推薦選抜 | 推薦選抜+学力選抜 | |||
| 志願者数 | 合格者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
| 機械工学科 | 148 | 120 | 96 | 2.4 |
| 電気工学科 | 43 | 1.1 | ||
| 電子工学科 | 67 | 1.7 | ||
| 情報工学科 | 126 | 3.2 | ||
| 物質工学科 | 70 | 1.8 | ||
東京高専の過去3年間の実績を見ていくと、推薦選抜の合格者は毎年きっちり120名となっていることが分かります。
募集要項にあるとおりの人数となっており、これ以上の合格者が出ることは基本的にないと思っておいた方がいいでしょう。
学科ごとの志願者数は、学科による差が大きくなっています。
特に情報工学科は毎年3倍程度の倍率となっており、非常に厳しい競争となっています。



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