高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
| 学科 | コース | 入学定員 | 国際的エンジニア育成特別選抜の募集人員 | 推薦による選抜の募集人員 |
| 産業システム工学科 | 機械・医工学コース | 40名 | 最大4名(10%) | 最大24名(60%) |
| 電気情報工学コース | 40名 | 最大4名(10%) | 最大24名(60%) | |
| マテリアル・バイオ工学コース | 40名 | 最大4名(10%) | 最大24名(60%) | |
| 環境都市・建築デザインコース | 40名 | 最大4名(10%) | 最大24名(60%) |
八戸高専には産業システム工学科の1学科が設置されています。
学科は4つのコースに分かれており、学生募集もコースごとに行われます。
入学定員は各コース40名、あわせて160名となっています。
八戸高専では、ほかの高専でも行われている推薦選抜、学力選抜のほか、国際的エンジニア育成特別選抜という選抜試験も実施されています。
推薦選抜とは別に、各コース最大4名(10%)の学生を募集することとされています。
なお、国際的エンジニア育成特別選抜の試験はかなり早くに行われ、令和8年度入試は9月に実施されています。
そこで、ここでは推薦選抜と学力選抜についてご紹介していきます。
推薦による入学者の選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
| 推薦による募集人員 | 60%程度(各コース24名程度、合計96名程度) |
| 推薦基準(成績等) | 5段階評定の3年間の総計が108以上 |
| 選抜方法 | 志望コースは第2志望まで選択可 推薦書、調査書及び面接試験による 【評定】1年は数学と理科を2倍し、その他の教科と合計した55点満点 2年は数学と理科を2倍、英語を1.5倍し、その他の教科との合計を2倍した115点満点 3年は数学と理科を3倍、英語を2倍し、その他の教科との合計を3倍した210点満点 【推薦点】推薦書、調査書の特別活動の記録等より40点満点 【面接点】130点満点 【合計】550点満点 |
八戸高専の推薦による入学者の選抜への出願基準は、内申点だけを用いたものが定められています。
非常に分かりやすい基準ですが、中学校3年間の内申点がすべて関係することに注意が必要です。
合否の判定にも3年間の内申点が使われますが、こちらは1年生より2年生、2年生より3年生と学年が上がるごとに点数の比重が高くなります。
日程
| WEB出願受付期間 | 令和7年12月16日~令和8年1月7日16時 |
| 入学願書受付期間 | 令和7年12月26日〜令和8年1月7日16時(必着) |
| 検査日 | 令和8年1月17日 |
| 結果通知 | 令和8年1月21日 |
| 入学確約書提出期限 | 令和8年2月2日 |
| 入学手続 | 令和8年3月17日 |
学力検査による選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
| 学力選抜による募集人員 | 30%程度(各コース12名程度、合計48名程度) |
| 出願の方式 | (一般)最大4コースまで出願可 (複数校)八戸高専のほか一関高専、仙台高専、秋田高専から最大9学科・コースまで出願可 |
| 学力点の計算方法 | 理科、英語、数学、国語、社会の5教科 理科・数学は200点満点、英語は150点満点、国語・社会は100点満点の合計750点満点 |
| 評定の計算方法 | 各学年9教科の5段階評定値を用いる 点数の計算方法は推薦選抜と同じ 1年は数学と理科を2倍し、その他の教科と合計した55点満点 2年は数学と理科を2倍、英語を1.5倍し、その他の教科との合計を2倍した115点満点 3年は数学と理科を3倍、英語を2倍し、その他の教科との合計を3倍した210点満点 合計380点満点 |
| 選抜方法 | 各コース4名までは学力点だけで決定する その他は学力点と評定の総合点で決定する |
八戸高専の学力検査による選抜は、国語、社会、数学、理科、英語の5教科で行われます。
調査書の評定も合否の判定に用いられますが、各コース4名までは学力試験の結果だけで選抜することとしており、大きな特色となっています。
八戸高専の学力選抜への出願方法は2種類あります。
八戸高専の4コースを志望する人や公立高校との併願をする人が利用できるのが学力選抜(一般)です。
一方、東北地区の4高専の9学科・コースに出願できるのが学力選抜(複数校)です。
出願の方法は区分されていますが、出願や試験の日程は同じです。
日程
| WEB出願受付期間 | 令和7年12月16日~令和8年1月27日16時 |
| 入学願書受付期間 | 令和8年1月21日〜令和8年1月27日16時(必着) |
| 検査日 | 令和8年2月8日 |
| 合格発表 | 令和8年2月20日12時 |
| 入学確約書提出期限(複数校) | 令和8年3月2日14時 |
| 入学確約書提出期限(一般) | 令和8年3月13日14時 |
| 入学手続 | 令和8年3月17日 |
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
本科入学者選抜状況(令和5年度)
| 志願者数 | 入学者数 | ||
| 産業システム工学科 | 機械・医工学コース | 48 | 43 |
| 電気情報工学コース | 81 | 41 | |
| マテリアル・バイオ工学コース | 54 | 36 | |
| 環境都市・建築デザインコース | 52 | 36 |
本科入学者選抜状況(令和6年度)
| 志願者数 | 入学者数 | ||
| 産業システム工学科 | 機械・医工学コース | 63 | 45 |
| 電気情報工学コース | 67 | 41 | |
| マテリアル・バイオ工学コース | 81 | 40 | |
| 環境都市・建築デザインコース | 40 | 41 |
本科入学者選抜状況(令和7年度)
| 志願者数 | 入学者数 | ||
| 産業システム工学科 | 機械・医工学コース | 45 | 39 |
| 電気情報工学コース | 68 | 39 | |
| マテリアル・バイオ工学コース | 55 | 37 | |
| 環境都市・建築デザインコース | 49 | 38 |
公表されている数字は、入試の区分に関係なくすべての志願者数となっています。
また推薦選抜も学力選抜も、第2志望以降の志願者がいますが、人数は第1志望となっています。
コースによって人気に差があり、特に電気情報工学コースは毎年多くの志願者を集めています。



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