高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | 入学定員 | 選抜方法 | 募集人員 |
創造システム工学科 | 160名 | 推薦による選抜 | 90名程度 |
学力検査による選抜 | 50名程度 | ||
後期特別選抜A日程 (秋田県外居住者対象) | 10名程度 | ||
後期特別選抜B日程 (秋田県内居住者対象) | 10名程度 |
秋田高専には創造システム工学科の1学科が設置されています。
推薦による選抜、学力検査による選抜のほか、後期特別選抜の枠が設けられています。
後期特別選抜については、秋田県内居住者と秋田県外居住者とで対象となる試験の日程が分けられています。
なお、学生の募集は1学科で行われ、第2学年進級時に機械系、電気・電子・情報系、物質・生物系、土木・建築系の4つの系に配属されます。
推薦による選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
推薦による募集人員 | 90名程度(56%程度) |
出願資格(成績等) | 以下のすべての条件に該当する ①第3学年の9教科すべての5段階評定が3以上 ②第3学年の9教科の5段階評定の計が30以上 ③第3学年の数学および理科の評定がいずれも4以上 |
選抜方法 | 調査書および面接の結果を総合して判定する |
秋田高専の推薦による選抜の出願資格には、3つの基準が設けられています。
3つの基準をすべて満たしていなければなりませんが、特に数学と理科の評定がポイントになるものと思われます。
4種類の選抜方法がありますが、推薦による選抜で半分以上の学生を募集することとなるので、秋田高専を目指す方はまず推薦での合格を目指しましょう。
日程
WEB出願受付期間 | 令和7年12月9日~令和7年12月24日 |
出願書類受付期間 | 令和7年12月16日〜令和7年12月25日 |
検査日 | 令和8年1月17日 |
判定結果の通知 | 令和8年1月23日11時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年1月30日 |
合格者入学説明会 | 令和8年3月4日 |
入学手続期間 | 令和8年3月4日〜令和8年3月6日 |
学力検査による選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力選抜による募集人員 | 50名程度(31%程度) |
学力検査点の配点 | 理科、英語、数学、国語の4教科 各教科100点の400点満点 |
内申点の配点 | 不明 |
選抜方法 | 学力検査及び調査書の結果を総合して判定する |
秋田高専の学力検査による選抜は、理科、英語、数学、国語の4教科で行われます。
科目による傾斜はなく、各教科100点の400点満点となっています。
なお、調査書の配点について、詳細は不明となっています。
日程
WEB出願受付期間 | 令和8年1月6日~令和8年1月26日 |
出願書類受付期間 | 令和8年1月13日〜令和8年1月27日 |
検査日 | 令和8年2月8日 |
合格発表日 | 令和8年2月20日 |
入学意思確認書提出期限 | 令和8年2月27日 |
合格者入学説明会 | 令和8年3月4日 |
入学手続期間 | 令和8年3月4日〜令和8年3月6日 |
後期特別選抜
秋田高専では、推薦による選抜、学力検査による選抜とは別に、後期特別選抜による選抜を行っています。
試験の日程はかなり遅くなっていること、そして合格した時は必ず入学する意志があることが条件となっていることに注意しましょう。
試験の概要
後期特別選抜による募集人員 | A日程(秋田県外居住者対象)10名程度 B日程(秋田県内居住者対象)10名程度 |
出願資格 | A日程:秋田県外に居住する者 B日程:秋田県内に居住する者 以下のすべての条件に該当する ①第3学年の9教科のすべての5段階評定が3以上 ②調査書の第3学年の数学または理科の評定のいずれかが4以上 |
選抜方法 | 調査書および面接の結果を総合して判定する |
後期特別選抜では学力検査は実施されず、調査書と面接の結果をもとに合否の判定が行われます。
出願資格は推薦選抜と若干の違いがあり、より幅広い人が対象になるものと考えられます。
なお、面接はA日程の場合はオンラインで実施され、B日程の場合もオンライン面接を希望することができます。
日程
WEB出願受付期間 | 令和8年2月12日~令和8年2月20日 |
出願書類受付期間 | 令和8年2月12日~令和8年2月20日 |
検査日 | 令和8年2月25日 |
合格発表日 | 令和8年2月26日 |
合格者入学説明会 | 令和8年3月4日 |
入学手続期間 | 令和8年3月4日〜令和8年3月6日 |
WEB出願受付期間 | 令和8年3月9日~令和8年3月17日 |
出願書類受付期間 | 令和8年3月9日~令和8年3月17日 |
検査日 | 令和8年3月19日 |
合格発表日 | 令和8年3月23日 |
入学手続期間 | 令和8年3月24日〜令和8年3月25日 |
東北地区高専複数校志望受験制度
高専を志望する受験生の進路選択拡大のため、東北地区4高専の学力選抜において、複数の高専に同時に出願することが可能となる制度が設けられています。
志望可能な高専
高専名 | 学科名 | コース名 | 募集人員 |
---|---|---|---|
秋田高専 | 未来創造工学科 | 機械・知能系 電気・電子系 情報・ソフトウェア系 化学・バイオ系 | 80名 |
八戸高専 | 産業システム工学科 | 機械・医工学コース | 12名 |
電気情報工学コース | 12名 | ||
マテリアル・バイオ工学コース | 12名 | ||
環境都市・建築デザインコース | 12名 | ||
仙台高専 | 総合工学科 | Ⅰ類(情報・電子系) | 60名 |
Ⅱ類(電気・材料・機械・情報系) | 50名 | ||
Ⅲ類(建築系) | 20名 | ||
秋田高専 | 創造システム工学科 | 機械系 電気・電子・情報系 物質・生物系 土木・建築系 | 50名 |
東北地区の高専を対象とした制度ですが、東北地方にあるすべての高専が含まれているわけではありません。
鶴岡高専や福島高専は対象となっていないので注意しましょう。
選抜方法と注意点
東北地区高専複数校志望受験制度を利用した場合、志望順位が上位の高専への合格が優先されます。
複数校に出願したからといって、複数校に合格することはありません。
また、合格した際は必ず入学することが出願の条件となっています。
4校の高専のうち、秋田高専のみ学力検査が4教科となっています。
ただ、秋田高専を第1志望とする場合でも、東北地区高専複数校志望受験制度を利用する場合は、社会を受験しなければなりません。
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
本科入学者選抜状況(令和5年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | |||
志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | |
創造システム工学科 | 121 | 110 | 72 | 60 |
本科入学者選抜状況(令和6年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | 後期特別選抜 | ||||
志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | |
創造システム工学科 | 88 | 88 | 49 | 47 | 18 | 18 |
本科入学者選抜状況(令和7年度)
推薦選抜 | 学力選抜 | 後期特別選抜 (A日程) | 後期特別選抜 (B日程) | |||||
志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | 志願者数 | 入学者数 | |
創造システム工学科 | 100 | 100 | 38 | 34 | 16 | 13 | 9 | 9 |
令和6年度、令和7年度の入試では、推薦選抜の志願者が全員合格するなど、志願者数がやや減少傾向にあるようです。
ただし、学力選抜や後期特別選抜では、全員が入学しているわけではないことが分かります。
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