令和8年度　高専入試情報　推薦の条件と選抜方法　〜富山高専〜

高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。

ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜（いわゆる一般入試）の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。

募集人員

どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。

キャンパス	学科	入学定員	推薦による選抜の募集人員
本郷キャンパス	機械システム工学科	40名	各学科とも50％程度（20名程度）
	電気制御システム工学科	40名
	物質化学工学科	40名
射水キャンパス	電子情報工学科	40名
	国際ビジネス学科	40名
	商船学科	40名

富山高専は、工業高専と商船高専が統合してできた経緯があります。
そのため、全国の高専でもここだけ、商船高専以外の高専でありながら商船学科があります。
また国際ビジネス学科は、数少ない文系の学科とされており、その名のとおり、英語や経済に関する教育を中心に行われています。

2つのキャンパスに6つの学科が設置され、あわせて240名の募集が行われます。
推薦による選抜の募集人員は各学科50%程度とされているので、およそ各学科20名程度が推薦で入学してくることとなります。

なお、富山高専の正式な募集要項は秋頃に公表される予定なので、願書などの書類や入学手続きの日程などは募集要項の公表を待ちましょう。

推薦による選抜

高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。

試験の概要

推薦による募集人員	各学科50%程度（1学科あたり20名程度、あわせて120名）
出願資格（成績等）	【商船学科以外】中学校第3学年の5段階評定が、数学、理科、英語、国語、社会の5教科合計で20以上かつ9教科合計で32以上 【商船学科】9教科合計で32以上
選抜方法	第1志望の学科のみ 2年次及び3年次の調査書と面接の評価点を合計した総合点により、志望学科ごとに入学定員の原則50%程度を合格とする 面接評価点には必要最低得点を定め、必要最低得点に満たない志願者は、選抜対象から除外する ・機械システム工学科、電気制御システム工学科、物質化学工学科、電子情報工学科は数学、理科を重視する ・国際ビジネス学科は英語を重視する ・商船学科は9教科を均等に扱う

出願資格は3年生における評定を用いることとされており、商船学科とそれ以外では若干の違いがあります。
一方、選抜方法においては2年生と3年生の調査書を用いることとされており、出願資格と一致しない点に注意が必要です。
面接も実施されますが、必要最低得点が設けられており、それを下回ると選抜対象から外されてしまう点も要注意です。

日程

Web出願受付期間	令和7年12月8日〜令和8年1月6日12時
出願書類受付期間	令和7年12月23日〜令和7年12月25日令和8年1月5日〜令和8年1月6日12時
検査日	令和8年1月12日
結果通知日	令和8年1月16日
入学確約書提出	令和8年1月23日17時

学力検査による選抜

学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。

試験の概要

学力選抜による募集人員	各学科50%程度（1学科あたり20名程度、あわせて120名）
出願の方式	第3志望まで出願可
学力検査点の配点	理科、英語、数学、国語、社会各100点の500点満点
調査書点の計算方法	中学校第2学年の9教科5段階評定の合計値（60点満点） 中学校第3学年の9教科5段階評定の合計値の2倍（120点満点） 特別活動等に関する調査書評価点（20点満点） 合計200点満点
選抜方法	学力検査の成績及び調査書評価点をもとに、各学科で順位付けする

富山高専の学力検査による選抜では、第3志望まで出願することができます。
学力検査は500点満点、調査書は200点満点で、調査書の点数には3年次だけでなく2年次の評定も含まれています。
また、合否の判定は学科ごとに順位付けをすることとされており、第1志望の人が落ちて第2志望、第3志望の人が合格することもあります。

日程

Web出願受付期間	令和8年1月13日〜令和8年1月22日
出願書類受付期間	令和8年1月19日〜令和8年1月22日
学力検査	令和8年2月8日
合格者発表	令和8年2月13日
入学確約書提出	令和8年2月20日17時

近年の入試の状況

過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。

本科入学者選抜状況（令和5年度）

	推薦			学力
	志願者数	受験者数	合格者数	志願者数	受験者数	合格者数
機械システム工学科	18	18	18	21	21	24
電気制御システム工学科	22	22	22	23	23	20
物質化学工学科	44	44	20	37	36	20
電子情報工学科	37	37	20	52	52	20
国際ビジネス学科	69	69	20	70	67	22
商船学科	28	28	20	32	32	22

本科入学者選抜状況（令和6年度）

	推薦			学力
	志願者数	受験者数	合格者数	志願者数	受験者数	合格者数
機械システム工学科	24	24	22	37	37	20
電気制御システム工学科	23	23	21	39	39	21
物質化学工学科	34	34	20	28	28	21
電子情報工学科	40	40	20	59	58	22
国際ビジネス学科	68	68	20	70	69	20
商船学科	22	22	20	23	23	22

本科入学者選抜状況（令和7年度）

	推薦			学力
	志願者数	受験者数	合格者数	志願者数	受験者数	合格者数
機械システム工学科	18	18	18	26	26	24
電気制御システム工学科	20	20	20	25	25	22
物質化学工学科	38	38	20	38	38	20
電子情報工学科	37	37	20	45	44	22
国際ビジネス学科	62	62	22	50	48	21
商船学科	23	23	21	36	36	20

学科によって志願者数に違いがあることが分かります。
特に人気となっているのが国際ビジネス学科で、推薦選抜・学力選抜ともに毎年高い倍率となっています。
また、電子情報工学科や物質化学工学科も志願者数が多く、激しい競争となっています。