高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | 入学定員 | 推薦による選抜の募集人員 (一般推薦による選抜) | 推薦による選抜の募集人員 (課題達成型推薦による選抜) |
機械システム工学科 | 40名 | 各学科15名 (あわせて75名) | 各学科5名 (あわせて25名) |
電気電子システム工学科 | 40名 | ||
化学・バイオ工学科 | 40名 | ||
都市システム工学科 | 40名 | ||
ビジネスコミュニケーション学科 | 40名 |
福島高専には5つの学科が設置されています。
推薦選抜には「一般推薦」と「課題達成型推薦」の2種類があり、それぞれに募集人員が設定されています。
2つの推薦制度の違いや出願資格の違いなど、注意すべき点はいくつもあるので、注意深く確認しておきましょう。
一般推薦による選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
福島高専の場合は、一般選抜と課題達成型推薦の2つの推薦入試が実施されるので、その違いを確認しておきましょう。
試験の概要
推薦による募集人員 | 各学科とも15名(37%程度、あわせて75名) |
出願資格(成績等) | 第1学年、第2学年、第3学年1学期及び2学期の必修5教科(国語、社会、数学、理科、英語)の5段階評定の合計が84以上かつ他の4教科(音楽、美術、保健体育、技術家庭)の5段階評定の合計が60以上である 第3学年において教科の評定に1がない |
選抜方法 | 第1志望のみ 推薦書、調査書の内容および面接の結果を総合判定する |
福島高専の一般推薦による選抜の出願資格は、中学1年生から3年生までのすべての評定を用いることとなっています。
国語、社会、数学、理科、英語の5教科の評定については、3年間の平均で各科目4.2が必要とされます。
一方、音楽、美術、保健体育、技術家庭の4教科については、3年間の平均で各科目3.75が必要とされます。
たとえば、国語、社会、数学、理科、英語の5教科の合計で21、音楽、美術、保健体育、技術家庭の4教科で合計15が目標の最低ラインとなります。
また、中学3年生の評定で1の評定がないことも条件とされています。
日程
WEB入力期間 | 令和7年12月2日~令和7年12月17日16時 |
書類出願の提出期間 | 令和7年12月16日〜令和7年12月18日16時(必着) |
検査日 | 令和8年1月10日 |
判定結果の通知 | 令和8年1月21日10時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年1月28日 |
入学手続 | 令和8年2月19日~令和8年2月26日 |
課題達成型推薦による選抜
福島高専の場合、一般選抜と課題達成型推薦の2つの推薦入試が実施されます。
課題達成型推薦による選抜は、一般推薦とは別枠となっていますが、日程は一般推薦と同じように実施されます。
試験の概要
推薦による募集人員 | 各学科とも5名(12%程度、あわせて25名) |
出願資格(成績等) | 第1学年、第2学年、第3学年1学期及び2学期の必修5教科(国語、社会、数学、理科、英語)の5段階評定の合計が84以上かつ他の4教科(音楽、美術、保健体育、技術家庭)の5段階評定の合計が60以上である 第3学年において教科の評定に1がない 中学校在学時の活動において、以下の条件のいずれか1つ以上を満たしている ➀「モノづくり」に関する活動において、公的な機関が主催する都道府県規模以上の大会等で入賞以上の成績をおさめた ➁「スポーツ、文化・芸術」に関する活動(学校外での活動を含む)において、公的な機関が主催する大会等で県大会入賞以上等、一定以上の成績をおさめた ➂「学術・研究」に関する活動において、公的な機関が主催する都道府県規模以上の大会等で入賞以上の成績をおさめた ④資格・検定において高校生レベル以上の級・種別を取得した ⑤中学校において生徒会をつとめた |
選抜方法 | 第1志望のみ 推薦書、調査書の内容および面接の結果を総合判定する |
福島高専の課題達成型推薦による選抜の出願資格は、一般推薦の出願資格に加えて、中学校在学中の勉強以外の活動に基づいた条件が追加されています。
そのため、一般推薦よりさらに難しい条件となっているということができます。
評定に関する基準は一般推薦と何ら変わりないので、評定以外の条件を満たすのであれば課題達成型推薦による選抜を選択することを検討しましょう。
日程
WEB入力期間 | 令和7年12月2日~令和7年12月17日16時 |
書類出願の提出期間 | 令和7年12月16日〜令和7年12月18日16時(必着) |
検査日 | 令和8年1月10日 |
判定結果の通知 | 令和8年1月21日10時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年1月28日 |
入学手続 | 令和8年2月19日~令和8年2月26日 |
学力検査による選抜
学力選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力選抜による募集人員 | 各学科とも20名(50%、あわせて100名) |
出願の方式 | 第3志望まで出願可 |
学力試験の配点 | 国語、社会、数学、理科、英語の5教科 各教科100点満点の合計500点満点 |
内申点の配点 | 280点満点 |
選抜方法 | 学力検査および調査書の内容を総合判定する 学力検査の得点で、著しく低い科目がある場合は選抜しないことがある |
福島高専の学力検査による選抜は、各学科とも50%の募集人員となっています。
学力検査は国語、社会、数学、理科、英語の5教科で行われ、科目ごとの得点に差はありません。
一方、調査書については細かい配点は明らかにされていません。
なお、学科検査の得点が著しく低い科目があると、選抜されない可能性があると明記されているので注意しましょう。
日程
WEB入力期間 | 令和7年12月2日~令和8年1月21日 |
書類出願の提出期間 | 令和8年1月19日〜令和8年1月22日16時(必着) |
検査日 | 令和8年2月8日 |
合格者発表 | 令和8年2月18日10時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年2月26日 |
入学手続 | 令和8年2月19日~令和8年2月26日 |
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
本科入学者選抜状況(令和6年度)
推薦 | 学力 | |||
志願者数 | 合格内定者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
機械システム工学科 | 26 | 20 | 30 | 21 |
電気電子システム工学科 | 24 | 20 | 33 | 21 |
化学・バイオ工学科 | 31 | 20 | 22 | 21 |
都市システム工学科 | 27 | 20 | 31 | 22 |
ビジネスコミュニケーション学科 | 42 | 20 | 40 | 21 |
本科入学者選抜状況(令和7年度)
推薦 | 学力 | |||
志願者数 | 合格内定者数 | 志願者数 | 合格者数 | |
機械システム工学科 | 23 | 20 | 35 | 21 |
電気電子システム工学科 | 29 | 20 | 34 | 21 |
化学・バイオ工学科 | 41 | 20 | 35 | 21 |
都市システム工学科 | 22 | 20 | 26 | 21 |
ビジネスコミュニケーション学科 | 45 | 21 | 41 | 21 |
福島高専の志願者の状況は、直近2年分のデータが公表されています。
どの学科も志願者を多く集めていますが、特にビジネスコミュニケーション学科は推薦・学力とも一番の志願者を集めていることが分かります。
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