高専への進学を考えている中学生の方、そしてお子さんの受験で頭を悩ませている親御さんへ、高専の入試情報をご紹介します。
高専の入試方法は、国立高専であっても統一されているわけではなく、学校ごとに違いがあります。
高専の入試では推薦入試での入学者数の比率が高いため、まずは推薦入試での合格を目指すべきです。
また試験の時期が早いので、ほかの受験生と比較すると、試験に向けて早く動き出す必要があります。
ここでは、高専ごとに推薦選抜と学力検査選抜(いわゆる一般入試)の実施方法をご紹介していきます。
なお、実際の受験にあたっては、必ず募集要項を確認してください。
募集人員
どのような学科が設置されているか、それぞれの学科の定員が何名かを知ることができます。
入学時は一括募集となっており、2年生以降にコース分けが行われる学校もあるので、どのような形で入試が実施されるのか確認しておきましょう。
学科 | キャンパス | 類・コース名 | 自己推薦による特別選抜 | 推薦による選抜 | 学力検査による選抜 |
総合工学科 | 広瀬キャンパス | Ⅰ類(情報・電子系) 情報システムコース 情報通信コース 知能エレクトロニクスコース | 60名 | 60名 | |
名取キャンパス | Ⅱ類(電気・材料・機械・情報系) 電気電子コース マテリアルコース 機械システムコース | 60名 | 50名 | ||
Ⅱ類 情報と創造コース | 10名 | ||||
Ⅲ類(建築系) 建築デザインコース | 20名 | 20名 |
仙台高専はその歴史的な経緯から、広瀬キャンパスと名取キャンパスの2つのキャンパスに分かれています。
そして1つの学科の中に3つの類、8つのコースが設置されています。
募集は基本的に類ごとに行われますが、情報と創造コースのみ自己推薦制度が設けられており、その分の定員が別に確保されています。
なお、Ⅰ類では2年進級時、Ⅱ類では3年進級時にコースに配属されます。
自己推薦による特別選抜
仙台高専では、Ⅱ類の「情報と創造コース」において、自己推薦制度が実施されています。
通常の推薦選抜は、在籍していた中学校の学校長が作成した推薦書が必要ですが、自己推薦では学校長の推薦書は必要ありません。
試験の概要
推薦による募集人員 | 10名 |
出願資格 | 基本的な生活習慣ができており、自ら考えて行動し、粘り強く努力する者 科学技術に興味・関心があり、将来、国際的に活躍するエンジニアになりたい者 教科以外の活動(学生会活動、部活動、その他校内外での諸活動)にも意欲的に取り組む意志のある者 |
選抜方法 | 第一次選抜では自己推薦書により30名を選抜 第二次選抜ではグループワーク・作文と面接により10名を選抜 |
自己推薦による選抜では、成績などによる基準は設けられていません。
本人の意欲や主体性、協調性、コミュニケーション能力などの観点から審査が行われます。
日程
Web出願エントリー期間 | 令和7年10月16日〜令和7年10月30日 |
出願書類受付期間 | 令和7年10月31日〜令和7年11月6日16時(必着) |
第一次選抜結果通知 | 令和7年11月14日 |
第二次選抜 | 令和7年11月23日 |
第二次選抜結果通知 | 令和7年11月28日 |
入学確約書提出期限 | 令和7年12月19日 |
合格発表 | 令和8年2月20日 |
入学説明会 | 令和8年3月4日 |
推薦選抜
高専の推薦選抜の定員は、学力検査選抜の定員より多くなっている学校もあります。
高専を目指す場合、まずは推薦選抜での合格を目指すこととなるので、出願資格は要チェックです。
試験の概要
推薦による募集人員 | 第Ⅰ類 60名 第Ⅱ類 60名 第Ⅲ類 20名 |
出願資格(成績等) | 調査書の各記録が優良であり、選択科目を除く9教科の3年間の「学習記録」の評定(一律5段階評定)の合計が108以上 |
選抜方法 | 1つの類のみ 推薦書・調査書・作文・面接 |
仙台高専では、推薦選抜の募集人員を各類とも全体の50%としています。
出願資格として定められている基準は、中学校3年間の成績を対象としているため、中学1年生から内申点の重要性を考えておく必要があります。
また、推薦選抜でも試験当日に作文の課題が出題され、1時間で完成させなければなりません。
日程
Web出願エントリー期間 | 令和7年12月2日〜令和7年12月16日 |
出願書類受付期間 | 令和7年12月17日〜令和7年12月24日16時(必着) |
作文・面接 | 令和8年1月10日 |
判定結果通知 | 令和8年1月22日15時 |
入学確約書提出期限 | 令和8年1月29日 |
入学説明会 | 令和8年3月4日 |
学力検査選抜
学力検査選抜では、基本的に入学定員から推薦選抜合格者数を除いた人数の募集が行われます。
また、推薦選抜に出願して合格にならなかった人は、学科などを変更する場合を除いて、手続きをしなくても学力検査選抜を受験できます。
試験の概要
学力検査選抜による募集人員 | 第Ⅰ類 60名 第Ⅱ類 50名 第Ⅲ類 20名 |
複数学科の志望 | 【仙台高専のみ受験】志願する類を第1志望から第3志望まで選択可 【東北地区高専複数校志望受験制度による選抜】仙台・八戸・一関・秋田の9つの類・コース・学科から最大第9志望まで選択可 |
学力検査の配点 | 国語、社会、理科、英語各100点、数学200点の600点満点 |
評定得点の計算方法 | 180点満点 |
選抜方法 | 2つ以上の類・コース・学科に合格することはできず、志望順位が上位の類・コース・学科への合格が優先される |
東北地方にある仙台・八戸・一関・秋田の4つの高専では、「東北地区高専複数校志願受験制度」が設けられており、最大9つの類・コース・学科に志願することができます。
この制度を利用するには、合格した高専に必ず入学することが条件となります。
日程
Web出願エントリー期間 | 令和8年1月6日〜令和8年1月23日 |
出願書類受付期間 | 令和8年1月21日〜令和8年1月26日16時(必着) |
学力検査 | 令和8年2月8日 |
合格者発表 | 令和8年2月20日12時 |
入学意思確認書提出期限 | 令和8年2月27日 |
入学説明会 | 令和8年3月4日 |
近年の入試の状況
過去の入試の状況を確認して志願者数や倍率などを知っておくことは、受験する際には大変有益です。
学校や学科で迷っている方は、自分が何をしたいのかを考えるのが第一ですが、これらの数値も参考にしておくといいでしょう。
令和4年度入試
募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 入学者数 | 倍率 | |
Ⅰ類 | 120 | 147 | 146 | 121 | 121 | 1.2 |
Ⅱ類 | 120 | 159 | 159 | 123 | 121 | 1.3 |
Ⅲ類 | 40 | 57 | 57 | 43 | 43 | 1.4 |
合計 | 280 | 363 | 362 | 287 | 285 | 1.3 |
令和5年度入試
募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 入学者数 | 倍率 | |
Ⅰ類 | 120 | 191 | 190 | 121 | 121 | 1.6 |
Ⅱ類 | 120 | 145 | 144 | 121 | 121 | 1.2 |
Ⅲ類 | 40 | 64 | 64 | 42 | 42 | 1.6 |
合計 | 280 | 400 | 398 | 284 | 284 | 1.4 |
令和6年度入試
募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 入学者数 | 倍率 | |
Ⅰ類 | 120 | 185 | 185 | 124 | 124 | 1.5 |
Ⅱ類 | 120 | 166 | 163 | 126 | 126 | 1.4 |
Ⅲ類 | 40 | 48 | 47 | 41 | 41 | 1.2 |
合計 | 280 | 399 | 395 | 291 | 291 | 1.4 |
令和7年度入試の状況については、情報が公表されしだいご紹介したいと思います。
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