国立の工業高等専門学校は、全国に全部で47校あります。
ただし、それらは47都道府県にそれぞれ1校ずつあるわけではなく、また設置されている学科やコースも様々です。
入学試験の募集方法や選抜方法も学校によるので、気になる学校がある場合は、その学校について調べておきましょう。
高専の中でどの学校がいいか迷っている方は、情報収集して自分に合った学校を探すのもいいかもしれません。
今回は北海道苫小牧市にある苫小牧高専をご紹介します。
苫小牧高専の基本情報
| 学校名 | 苫小牧工業高等専門学校 |
| 所在地 | 北海道苫小牧市字錦岡443番地 |
| 設立年度 | 1964(昭和39)年4月1日 |
| 設置学科と定員 | 創造工学科 機械系40人 都市・環境系40人 応用化学・生物系40人 情報エレクトロニクス系80人 情報科学・工学コース 電気情報システムコース 1学年あたり200人 |
| 設置専攻科と定員 | 創造工学専攻 機械系 都市・環境系 応用化学・生物系 情報エレクトロニクス系 1学年あたり20人 |
本科生の5年間の課程
創造工学科として毎年200人の学生が入学してきます。
1年生では系に分かれず、すべての学生で学級編成が行われます。
2年生からは4つの系に分かれて、専門分野を学びます。
専門の系に分かれる際は、本人の希望に加えて1年次の学業成績も考慮されます。

すべての系にフロンティアコースが設けられていますが、これはどの系からも選択できる共通コースという位置づけです。
「次世代の起業人材」を目指して、各系の専門工学を学びながら、経営学分野の基礎を習得することができます。
また、工学と経営やデザイン、医療・福祉などをつなぐ研究ができます。
ここまではっきりと、工学以外の分野の研究を取り入れることを明らかにする国立高専は、非常に珍しいといえます。
一方、フロンティアコース以外のコースは、専門コースという位置づけとなっており、「次世代の技術系人材」を目指すものとされています。
こちらは従来からの高専の教育を行っているといえ、企業内での技術者のリーダーとなる人材を育成するイメージです。
学生情報
学生数(男女別)
学校要覧2026によれば、学生の人数や男女比は以下のようになっています。
| 1年 | |||
| 男子 | 女子 | 合計 | |
| 創造工学科 | 145 | 32 | 177 |
| 2年 | 3年 | |||||
| 男子 | 女子 | 合計 | 男子 | 女子 | 合計 | |
| 機械系 | 35 | 9 | 44 | 32 | 12 | 44 |
| 都市・環境系 | 28 | 13 | 41 | 30 | 7 | 37 |
| 応用化学・生物系 | 24 | 13 | 37 | 17 | 19 | 36 |
| 電気電子系 | 41 | 3 | 44 | 37 | 4 | 41 |
| 情報科学・工学系 | 34 | 12 | 46 | 27 | 6 | 33 |
| 合計 | 162 | 50 | 212 | 143 | 48 | 191 |
| 4年 | 5年 | |||||
| 男子 | 女子 | 合計 | 男子 | 女子 | 合計 | |
| 機械系 | 36 | 8 | 44 | 38 | 4 | 42 |
| 都市・環境系 | 26 | 6 | 32 | 30 | 7 | 37 |
| 応用化学・生物系 | 18 | 22 | 40 | 23 | 19 | 42 |
| 電気電子系 | 37 | 8 | 45 | 31 | 7 | 38 |
| 情報科学・工学系 | 38 | 6 | 44 | 27 | 8 | 35 |
| 合計 | 155 | 50 | 205 | 149 | 45 | 194 |
女子学生の割合は約23%となっています。
系ごとにみると、最も女子学生の割合が高いのは応用化学・生物系で、男女比はほぼ半々となっています。
一方、女子学生の割合が最も低いのは、電気電子系となっています。
学生出身地
学校要覧2026によれば、本科生979人のうち北海道出身者が955人と大半を占めています。
北海道内では、札幌市のある石狩地方の出身者は438人で最多となっており、次に苫小牧市のある胆振地方の出身者が398人となっています。
北海道外の出身者は14人、国外の出身者は10人となっています。
学生寮の入寮者と寮費
国立の高等専門学校には、どの学校にも寮が設置されています。
遠方から通うのが困難な学生は、寮に入って学ぶこともできます。
| 男子 | 女子 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 1年 | 46 | 11 | 57 |
| 2年 | 42 | 15 | 57 |
| 3年 | 45 | 13 | 58 |
| 4年 | 38 | 12 | 50 |
| 5年 | 31 | 14 | 45 |
| 合計 | 202 | 65 | 267 |
寮に入っている学生は、本科生979人のうち約27%となっています。
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 寄宿料 | 相部屋は700円 個室は800円(ともに月額) |
| 寮費 | 平均9,000円(月額) |
| 寮生会会費 | 2,500円(年額) |
| 寮生会入会金 | 1,000円 |
| 給食費 | 平均35,000円(月額) |
令和8年度入試について
推薦入試
推薦入試の募集人員は、定員の50%程度です。
推薦入試の出願基準は、「3年の数学が4以上、かつ学習点が252以上(学習点は調査書の9教科5段階評定を1年と2年は2倍、3年は3倍した数の合計)」です。
| 推薦入試の出願基準 | 3年の数学が4以上、かつ学習点が252以上(学習点は調査書の9教科5段階評定を1年と2年は2倍、3年は3倍した数の合計) |
一般入試
一般入試では、学力試験として理科・英語・数学・国語・社会の5科目が実施されます。
理科・英語・数学は配点が2倍になります。
| 学力試験の科目と配点 | ||||
| 理科 | 英語 | 数学 | 国語 | 社会 |
| 200 | 200 | 200 | 100 | 100 |
| 調査書の科目と配点 | ||||||||
| 国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 技術・家庭 | 音楽 | 美術 | 保健体育 |
| 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 15 | 15 | 15 | 15 |
入学志願者数
令和7年度および令和8年度の入学志願者は、以下のようになっています。
| 令和7年度 | 令和8年度 | |
|---|---|---|
| 創造工学科 | 336 | 263 |
卒業後の進路
高専の卒業生の半数は就職、半数は進学するといわれますが、実際には学校や学科・コースによってその比率に違いがあります。
苫小牧高専の令和7年度卒業生の進路は以下のようになっています。
| 卒業生 | 就職 | 進学 | その他 | |
|---|---|---|---|---|
| 機械系 | 180 | 117 | 14 | 0 |
| 都市・環境系 | 16 | |||
| 応用化学・生物系 | 13 | |||
| 電気電子系 | 9 | |||
| 情報科学・工学系 | 11 |
卒業生のうち3人に1人が進学し、3人に2人が就職しています。
例年、この割合は大きく変わらないようです。
就職
高専には多くの企業から求人が寄せられていることはよく知られています。
苫小牧高専の令和7年度卒業生のうち就職希望者数と、企業からの求人数は以下のようになっています。
| 就職者数 | 求人数 | |
|---|---|---|
| 創造工学科 | 117 | 3,515 |
多くの求人が寄せられており、求人倍率は30倍です。
就職を希望した人は、例年、ほぼ100%の就職率となっています。
進学
苫小牧高専を卒業後に進学する学生の進学先は、以下のようになっています。
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 苫小牧高専専攻科 | 21 | 33 | 26 | 21 | 21 |
| 長岡技術科学大学 | 4 | 10 | 11 | 8 | 11 |
| 豊橋技術科学大学 | 13 | 7 | 6 | 10 | 9 |
| 室蘭工業大学 | 7 | 4 | 3 | 9 | 12 |
| 北海道大学 | 2 | 2 | 2 | 4 | 4 |
| 北見工業大学 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 |
| その他 | 11 | 11 | 11 | 8 | 6 |
| 合計 | 60 | 68 | 61 | 60 | 63 |
最も進学者が多いのは苫小牧高専専攻科であり、次に長岡技術科学大学と豊橋技術科学大学、そして室蘭工業大学が続きます。
北海道大学など、地元の大学に進む人は毎年います。



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